ラストヒットマン


 2009.9.19  渋いスナイパー 【ラストヒットマン】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
凄腕スナイパーが、自分が病魔に犯されていることに気付き、後始末をしようとする物語。風貌や動きが凄腕スナイパー風ではないが、雰囲気は闇の暗殺者というような感じで渋さがにじみ出ている。凄腕のスナイパーであり、一人の娘の父親でもあるハリー。娘も父親の仕事を手伝い、凄腕の血を引き継いでいる。この二人の関係が、暗殺者一家とは思えず、普通の家庭なのが良い。病魔が原因で仕事に失敗し、追われる身となるハリー。そこで自分を始末しにきた男を仲間に引き入れるなど、荒唐無稽な雰囲気だが、すんなりと入り込める。独特の雰囲気と、暗さ。悲しい場面をより強調するように、出演者たちは沈うつな表情となる。ある意味家族愛を描いているのかもしれない。

■ストーリー

凄腕スナイパーとして名を馳せるハリーとサポート役を務める娘のラクエルは、ある殺しの失敗から追われる身となる。しかも、ハリーは病魔に冒されてしまい…。

■感想
白髪交じりの親父ながらも凄腕でならすハリー。娘もその血を受け継いで、銃の腕前は超一流。そんな暗殺者一家でありながらも、家庭はごく普通だ。娘の彼氏と会うのに緊張するハリー。後ろめたい仕事をしていることに違和感をもちながらもやめることができないハリーたち。普通だけど、普通ではない家族。いびつなようでありながら、逆に家族だけの秘密があるというのが、父親と娘、二人の関係を強固なものにしているのだろうか。秘密を共有することが、排他的な雰囲気をかもし出している。それは、彼氏が家に訪れたときにしっかりと現れている。

追われる身となったハリーは、そのときになってはじめて、足を洗おうとする。自分を始末しにきた男を仲間に引き入れたかと思うと、今まで仲介役として仕事をして仲間をあっさりと始末したりもする。暗殺者としての本領をはっきしたかと思うと、ありえないようなこともする。全体の雰囲気が軽い感じではなく、終始重苦しいので真実味にあふれるような気がした。新たに加わった仲間も、同じ秘密を共有するということで、ちょっとした家族扱いをされることになる。暗殺者一家とまではいかないが、奇妙な寄り合い所帯とでも言うのだろうか。

病魔に犯され、自分の運命を悟ったハリーがとった行動は、娘を助けるためには正しいことなのだろう。暗い雰囲気の中、渋さ満点のハリーばかりが輝いている。娘のラクエルは、ハリーが人間味にあふれた男だということを証明するために存在するようにも感じられた。仕事に対しては冷酷非道。しかし、家に帰れば家族思い。ステレオタイプの暗殺者とはまた違った流れで進む本作。ハリーを始末しにきた男がいつのまにかしっかりと仲間になっていたことが、一番微笑ましく感じるシーンかもしれない。

どことなく、カリスマ的魅力にあふれる男だと思った。



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