2009.4.16 逃亡劇サスペンス 【クロスゲージ】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
犯人とでっち上げられた狙撃の名手の元軍人が逃亡しながら真犯人を暴きだす。サスペンスとしての面白さよりも、逃亡劇を見る楽しさがある。狙撃から30分で全ての身元が割れ、新聞では賞金つきで指名手配される。そんな状態からどのようにして逃げ出すのか。そして、真犯人を探し出すのか。謎の組織と正式な組織の力関係が絶妙なことと、元軍人というキャリアをいかし、様々な危機を乗り越えるさまが見ていて痛快だった。しかし、結局は単純に逃亡し、真犯人逮捕の鍵となる証拠を見つけ出し、それを突きつけて謎の組織を壊滅する。まぁ、良くあるパターンの展開なので、簡単に先は予想できるだろう。それにしても、大統領夫人は暗殺ではなく、別の手段があったのではないかと思える流れだ。狙撃の名手というのが、最後の最後にきいてくるのだろう。
■ストーリー
射撃の名手だった男が秘密部隊の狙撃手として拾われる。ある日、大統領夫人をエスコートする実業家の暗殺を図るが、別の狙撃者により大統領夫人が撃たれ、犯人としてでっち上げられてしまう狙撃者の奮戦の姿を描いたアクション作品。
■感想
秘密部隊として暗殺を命じられ、いつの間にか、自分が大統領夫人暗殺の濡れ衣をきせられる。刑務所に入っているはずの男が、大統領夫人暗殺という事件を引き起こす。サスペンスとして見れば、わりとありきたりでどこにでもある逃亡劇だ。しかし、本作のポイントとして、その逃亡劇の面白さがある。元軍人ということで、様々な知識や身体能力を駆使して、追っ手から逃げ延びる。ちょっとしたユーモアも織り交ぜながら、真犯人を見つけようと奔走する。一番インパクトがでかかったのは、賞金首として新聞の一面にのり、それを見た市民たちに追いかけられる場面だ。ここまでくるともはやコメディでしかない。全力疾走しながら、追いかけてくる市民を殴り飛ばす。どたばた加減が絶妙で面白い。
逃亡劇以外では、組織同士の駆け引きが見所だ。誰がスパイで誰が味方なのか。逃亡劇を手助けするはずの医師でさえも、最初は自分の身を守るために、通報したりもする。逃亡の難しさを表現しているかと思いきや、灯台下暗しなのだろうか、あっさりと大ボスの住処に乗り込んだりもする。そこでは、顔が割れているにもかかわらず、サングラスと帽子だけで何故か誰にも気づかれない。あっさりと大ボスに近づき、秘密のキーを手に入れる。ある面ではとてつもなく困難な道を乗り越えたかと思うと、ある面ではあっさりと事態の核心をつく。このギャップがすごい。今までの逃亡劇からすると、あまりにあっさり進みすぎるラスト。この落差もすごい。
大ボスが大統領夫人を暗殺しようとしたきっかけというのも、よくわからなかった。そして、それを元軍人で、刑務所で死刑になるはずだった男に罪をかぶせる必要性も…。国家的危機というカモフラージュで自分たちの責任を隠そうとしたのか。やることが大げさな割にはずさんな管理が目立つ。大統領夫人との確執のきっかけをネット上からすべて削除したのだが、実はまだ残っており、激怒する。なんだか都合が良すぎるが、マスコミ各社はそのことにもまったく気づいていないようだった。本作に登場するマスコミは、ジャーナリズムとしての気概がなく、国家の犬に成り下がっている。そんな国家の横暴を非難するようなメッセージを微かに感じてしまった。
典型的なサスペンスなので、この手の作品が好きな人にはお勧めだ。
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