恋する40days


 2010.6.23  くだらなさを最後まで貫いている 【恋する40days】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
恋人にふられ、その結果禁欲生活に入るという論理がよくわからないが、非常に軽い感じのコメディだ。禁欲生活に入ったとたんに運命の女性と出会う。ネット社会的にいつのまにか禁欲生活というのが知れ渡り、賭けの対象にすらされてしまう。同情すべき部分もあるが、ほとんどはマットの自業自得だろう。禁欲生活に入ると、日々プラモデルを作る生活というのもなんだか笑えてくる。オタク的な要素がない見た目とはうらはらに、気持ち的には落ち込みやすく考えこみやすい悩むタイプなのだろう。周りの同僚たち、特に上司などは良い味をだしている。しかし、全体をとおすとものすごくくだらない、どうしようもない映画のような気がしてならない。たまにはこんなおバカ映画も良いのだろうが。

■ストーリー

恋人にふられた反動で、次々と違う女性とSEXするようになったマット(ジョシュ・ハートネット)。そして半年後、彼は幻覚に悩まされるようになり、不安のあまり40日間の禁欲生活を神に誓う。しかし、そのとき彼の目の前に、理想の女性エリカ(シャニン・ソサモン)が現れてしまい…。

■感想
恋人にふられ、次々違う女性と一夜を共にするマット。そんなマットが幻覚に悩まされるくだりはよくわからない。別れた恋人を思い悩むあまりの幻覚なのだろうか。それとも、多くの女性と関係を持ち続けたことへの良心の呵責なのだろうか。幻覚を見たからといって、そこから40日間の禁欲生活に入るのもよくわからなかった。マットのお気楽な性格が禁欲生活に入ったとたん、なんだか聖職者のように厳粛とした雰囲気を感じさせるのは演出のせいだろう。ジョシュ・ハートネットが演じたというのも大きな意味があるのかもしれない。女性に迫られると嫌とは言えない雰囲気を持ち合わせている。

禁欲生活に入ってすぐに運命の女性と出会う。マットくらいになると、何もしなくても女性がよってくるということだろうか。禁欲生活に入ってからのマットのおとなしい雰囲気は、他人のいじめたい欲求を強く刺激するのかもしれない。ちょっとボンヤリとして、おとなしそうで、それでいて禁欲生活。同僚たちが面白がってあれこれいたずらするのもわかる気がした。同じ男としても、そんなことできるのかという面白半分な想いから、絶対に失敗させてやろうと邪魔するのもよくわかる。

ラスト間近になるとハチャメチャ加減はピークとなる。くだらないと言ってしまえばそれで終わりだが、このくだらなさの中にも美学があるように感じられた。精神的なことや、感動的な流れにもっていけないことはないが、あえてくだらない路線を貫く。純愛作品に無理矢理できないこともないが、そうしない。マットの表情がくだらなさの中にも、ちょっとした寂しさを感じさせるので、コメディ一辺倒にはなっていないのかもしれない。序盤のくだらなさを最後まで貫く圧巻のコメディかもしれない。

どんなくだらないことであっても、最後まで貫く強さはすばらしい。



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