キングコング


 2009.11.17  キングコングがいじらしい 【キングコング】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
オリジナルは見たことがないが、それでも”キングコング”という名前だけは超有名で、誰もが知っている名前だろう。おぼろげながらにイメージしたのは、煌びやかな都市に突然登場し、大暴れするという感じだろうか。本作の冒頭の流れからは、まったく繋がることがない情景だった。キングコングが髑髏島という奇妙な島出身ということ。そして、その髑髏島こそが、本作を”キングコング”以外のものへと変貌させている張本人だということ。どちらかといえば、ジュラシックパークや、そっち系に近いかもしれない。キングコングらしさというのが、どのあたりなのかよくわからないが、最後にしっかりと都市で大暴れする姿が見れただけでも良しとしよう。

■ストーリー

30年代。製作途中の映画を打ち切られそうになった監督デナムは、映画を完成させるため&今までにない冒険映画を撮るため、海図にも載ってない“髑髏島”を目指す。だがそこは死に絶えたはずの恐竜や巨大昆虫、巨大なゴリラ(コング)が住んでいる島だった。しかも女優のアンが原住民にさらわれ、コングの生け贄にされてしまうのだった……。

■感想
巨大なゴリラというからどの程度かと思ったら、そこまでバカでかくはない。ゴジラ的な大きさかと思っていたので、ちょっと拍子抜けしたというのはある。それでも、キングコングのインパクトの弱さを、飲み込んでしまうほど強烈な部分が本作にはある。それは、髑髏島に巣くう異形な生物たちだ。ジュラシックパーク的な巨大な恐竜。ティラノサウルス風であったり、フロントサウルス風であったり。かと思うと、ムカデのでかい奴だったり、ピンクのヌメヌメとした怪しいイソギンチャク風な生物であったり。すべてが巨大で人間を食べようとする。この気持ち悪さと、ぞわぞわとする感覚はなかなか味わえない。

相変わらずの美しさを見せるナオミ・ワッツだが、今回は終始激しく動き回っている。キングコングから逃げまどうシーンなどは、アニメの影響を色濃く受けているような気もするが、それでも、男だらけの撮影隊の中で紅一点ということで、ひときわ輝いていた。それ以外にもキングコングのアン(ナオミ・ワッツ)に対する気持ちというのも、複雑だ。愛とか恋とは違うのだろうが、もしかしたらちょっとした面白いおもちゃというような感覚なのだろうか。おもちゃを取られまいと、必死で恐竜たちと戦う姿は、なんだか、キングコングのことを体型に似合わず、いじらしく感じてしまった。

キングコングをどうやって髑髏島から運び出したのかは、この際おいといて、キングコングの街での振舞いは、これこそ誰もがイメージするキングコングの姿だろう。ジャングルの中で巨大こうもりや、恐竜たちと戦う姿も良いが、やはり、文明の中に突如現れた巨大なゴリラという方がキングコングには似合っている。文明と激しい戦いを繰り広げるキングコング。飛行機のマシンガンに撃たれながら、文明の利器を象徴するような超高層ビルへと登っていく。これぞ、誰もが一番イメージしやすいキングコングの姿だ。

オリジナルを見ていないので、なんとも言えないが、思ったよりもキングコングが小いなぁという印象だ。



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