君のいた永遠


 2010.10.19  若い頃の恋愛を回想する 【君のいた永遠】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
若いころの恋愛を時期を経て思い出す。このパターンの作品では、若いころの俳優と現在の俳優をわけるのはいいが、あまりにイメージが違うと違和感を感じてしまう。特にホークァンは、若い時には金城武で、その後があまりにイメージが違いすぎる。物語として成長した姿だというのはわかるが、ぱっと見た瞬間、同一人物だとは思えなかった。このあたりの部分で、物語のストーリーとは別にひっかかってしまった。恋愛映画としては、それなりに王道というか、わかりやすい展開となっている。日本で再会するというのもマーケティング的なものや、金城武が日本語を話せるからというのもあるのだろう。特別な印象もなく、可もなく不可もなくといったところだろうか。

■ストーリー

1977年、女子高校生のシューヤウ(ジジ・リョン)は受験生のホークァン(金城武)とつきあうようになるが、そんな彼女を親友のチャンリー(カレン・モク)は複雑な想いで見つめていた。やがてシューヤウの恋は終わりを迎えるが、7年後、シューヤウとホークァンは日本で再会して恋の想いが再燃。しかし、ホークァンはすでにチャンリーと結婚していた……。

■感想
浪人生と高校生の恋。そして、大人になってそのころを思い出す。現在のシーンでは大人になったということもあり、それなりに割り切っているという印象が強い。恐らく本作のメインは若いころの恋なのだろう。浪人生は大学受験に力をいれなければならず、女子高生は親に交際を反対される。よくありがちな障害かもしれない。恋に悩みつつもあっさりと別れを切り出すあたりも、このころ独特の考え方かもしれない。大人になり後悔しているという描写がないことを考えると、二人はそれなりに良い人生を歩んできたのだろうと想像できる。淡い思いを強烈に美化しているわけではないようだ。

キャラクターはそれぞれしっかりと確立されている。特に若いころの淡い恋に悩むキャラクターには心打たれる部分だ。勉強に向いていないと苦しむホークァンや、家族との絆を大事にするジューヤウなど。さらには独特な雰囲気と密かな謎を隠しているチャンリーなど。魅力的なキャラクターが7年の歳月を経過したあとどうなるのか…。7年後にはちょっと強引すぎるというか、日本を印象づけるということと、別々の人生を歩んでいるということを強く印象付けている。

ぼんやりとしたまま20年後に到達し、過去を思い出しながら脚本を作る。自分の人生を脚色し脚本化するということはどうなのだろうか。過去を美化しているわけではないが、どうも違和感がある。過去を回想しつつ、冷静な言葉をつむぐ。感動を呼び起こそうとしているのだろうが、ほとんど感動できなかった。それは恐らく否が応でも見えてくる大人の対応と、それぞれに社会的にそれなりの地位になっているという、今の人生に対する思いというのを感じてしまったからだ。

過去の恋愛を回想するというのは、どうしても覚めた目で見てしまう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp