秘密のかけら


 2009.5.13  頻繁に登場するラブシーン 【秘密のかけら】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
過去と現在を行ったり来たりしながら、事件の真相がだんだんと明らかになっていく。なんとなくだが羅生門的な雰囲気を感じる。誰が犯人なのか、次々と小出しにされるヒントで犯人は変わっていく。最後までその方式が続き、最後の最後で犯人はこいつだというネタ晴らしがある。ラニーとヴィンスによって証言が異なり、カレンに対する態度も変わっていく。ミステリーとしての面白さは普通だ。本作の面白さをどこに見い出すのか、それによって評価は変わってくるだろう。ラニーとヴィンスの若き日の豪遊具合か、もしくは三人の人間関係か…。正直言うと終始退屈だった。ラブシーンが頻繁に登場することくらいしか印象に残っていないというのが正直なところか。

■ストーリー

TVショーに出演し、コンビとして人気を高めたエンターテイナーのラニーとヴィンスだが、2人が泊まったホテルで女性の変死体が発見される。その時点では自殺と報道されるが、15年後、ジャーナリストのカレンが事件の真相に迫ろうと2人を取材する。

■感想
ヒントが小出しになり、犯人が明らかとなる。ただ、起きた事件がそれほど摩訶不思議なものではなく、犯人はラニーか、ヴィンスか、自殺かという三択のような形になっている。それだけに、場面展開がそれほど豊富なわけでもなく、劇的な事実が明らかとなるわけでもない。ただ、ラストの犯人だけは予想外だったので驚くのだが、それは回想形式の映像からすっぱりと抜け落ちていたからであって、普通に考えればなんら不思議なことでもなんでもない。

売れっ子エンターテイナーの過去と現在。過去はすさまじく、まさになんでもありな状態だ。そんな中でのある事件。物語の真相が事件を解決することにあるのは明らかなのだが、その動機がいまいちはっきりしない。カレンの憧れの人でもあるラニーを思ってのことなのだろうが、ラニーに対する思いとヴィンスに対する思いの違いをあまりはっきりと感じ取ることができなかった。現在の二人はどちらもそれなりで、特別落ちぶれているようにも感じられなかった。どうせなら盛者必衰のごとく、ボロボロに落ちぶれていても良いのではなかったのだろうか。

物語の探偵役でもあるカレンがジャーナリストと事件解決、どちらを優先するのか、それも曖昧だった。カレンはラニーにあこがれており、出版社は暴露本に興味を示す。カレンはジャーナリストとして名前を売ることにも固執している。なんだかカレンの目的がぼやけてしまったのも、本作が眠たくなる原因なのかもしれない。しつこいくらいにラブシーンを連発するよりも、もっと現在のラニーとヴィンスの関係に力を入れても良いのではないかと思えた。

ミステリーとして、ラストは多少驚きがあるのだが、それだけだ。



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