秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~


 2009.5.28  くだらない面白さ 【秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
TOHOシネマズでおなじみのキャラクターと言った方がいいのだろうか。はじめて見たときにはそれほど気にならなかったが、毎回見るたびにちょっとづつはまり始めてしまった。基本的にTOHOシネマズでの鷹の爪団しか知らない者にとっては、少し厳しいかなと思ったが、まったく違和感なく見ることができた。くだらないギャグと静止画、そして言葉だけで動きをだそうとする無理やり感。なんでもありで、ギャグもくだらないので、受け入れられない人はまったく駄目かもしれない。自分の場合はかなり耐性があったので問題なかった。というか、逆にそれが楽しめたくらいだ。目新しいというだけで楽しめているのかもしれない。続きを見たいかと言われると少し微妙かもしれない。しかし、TOHOシネマズで見たキャラクターたちを楽しめる人には、十分楽しめる内容となっている。

■ストーリー

世界征服の野望をもつ秘密結社「鷹の爪団」。だが彼らは、いまや野望どころか小銭も持てぬ資金難に悩まされていた。そんな中、大家の容赦のない家賃取立てが始まる。取立てにおびえた鷹の爪団は、レオナルド博士が作った夜逃げマシン(トラック)に乗って逃げることに。しつこく追いすがる大家。大家を振り切るため、夜逃げマシンのあるボタンを押すのだが…。逃げすぎて宇宙空間に出てしまう夜逃げマシン。果たして鷹の爪団はどうなるのか…。

■感想
不条理ギャグとも違う、ニヤリと笑えるくだらなさ。静止画の人物がまるで紙芝居の登場人物のように、静止したまま動く。表情の変化も汗や額から線がでるなどちょっとした演出のみ。あとはすべて声の演技でまかなっている。ある意味この演技で成り立たせるには、並みの声優以上の演技力が必要なように思うのだが、意外なほどすんなりと受け入れることができる。これは見る人の優しい心によって成立しているのかもしれない。声優もプロがやっているのではなく、一人が掛け持ちしているようだ。そのため、声質の根本はまったく同じだったりもする。これほどめちゃくちゃな状態なのに、面白く感じるのは単純なストーリーと、くだらないギャグのおかげだろう。

あいまに登場するギャグがくだらなすぎる。小学生が喜ぶようなことから、ありえないことを普通にこなし、不自然さを笑う場面もある。突っ込み役である総統であっても、ありえない状態をあっさり受け入れたりもする。突っ込みどころ満載で、総統の突っ込みに対しても突っ込みたくなるくらいだ。そこよりも、もっとおかしなところがあるだろ!と何度思ったことか。一見常識人っぽい総統もかなりおかしい。それに輪を掛けておかしいのが吉田くんであったり、博士やデラックスファイターだ。真顔でありえないことを口走る。そこに面白さというかニヤリと笑える雰囲気ができてしまうのだろう。

本作のシリーズはTOHOシネマズ以外では見たことがない。にもかかわらず、それなりに楽しめるのは単純すぎるキャラクターたちのおかげなのだろう。もちろんシリーズを見ていればもっと楽しめたことだろう。本作でいうと、菩薩峠やフィリップなど、まったく知らないキャラクターがいつの間にか登場していた。しかし、それでも違和感なく楽しむことができた。世界征服をたくらむといいながらも、どうしようもないことしかしない。一昔前のすごいぞマサルさんを彷彿とさせるようなギャグの影響だろうか。ゆるゆるでまったく真剣味がないというのも、サラリと楽しめる原因なのかもしれない。

これといって新しいわけではないが、新しさを感じるのはなぜだろうか。



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