GOAL2


 2010.6.21  無理矢理絡む有名人たち 【GOAL2】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ではひたむきにサッカーに情熱を注ぐサンティアゴに感情移入できたが、本作ではなんだか随分とありきたりで、イベントを詰め込めるだけ詰め込んだだけという感じがした。スポーツモノとしてのサクセスストーリーは前作で完結しており、本作ではステップアップが描かれている。いきなりクラブの頂点であるレアル・マドリードへ移籍し、そこで酒池肉林となる。絵に描いたような没落かと思いきや、そうではなく、サッカーではそれなりに成果をだしている。なんだか物語にメリハリがない。レアルを追い出されるような苦難はなく、恋人との関係も多少の波はあるが、ほどほどにうまくいく。有名選手と同じチームということだけを売りにするには、インパクトが足りない。

■ストーリー

夢と希望を抱き世界のフィールドを駆け抜ける青年の栄光から挫折、復活までを描いた感動と興奮のサッカー・エンタテインメント第2弾!舞台は英国からスペインの“銀河系軍団”レアル・マドリードへ。新たなステージに立った主人公に婚約者との遠距離恋愛、生き別れた母との再会など様々な試練が立ちはだかる。果たして逆境を乗り越え、最高のゴールを決められるのか…!

■感想
1がそれなりに面白かっただけに、2はどうしてもある程度の期待をこめて見てしまう。1と決定的に違うのは、レアルというビッククラブに移籍したことにより、1以上に有名選手と絡んでいるという雰囲気をださなければならないということだ。チームとしての低迷期であっても、サンティアゴが他のチームメイトと話すことはほとんどない。それは当然だろう。本物の試合やベンチシーンに映像をはめ込んでいるだけなのだから。ベッカムやジダンなどと同じチームというワクワク感はあるが、まったく絡みがないというのも不自然すぎる。

生き別れた母親との再会や、恋人とのいざこざなど定番的なイベントは起こるが、それがサンティアゴのサッカー人生に大きな影響を与えたとは思えない。わかりやすいといえばわかりやすいが、もっと激しい1の時のような挫折や苦悩があり、それを乗り越え大きく飛躍するというのを期待していた。すでにある程度サッカー選手として成熟しているサンティアゴに劇的なレベルアップはなく、チームメイトとのレギュラー争いでのごたごたもない。サッカーに関しては順風満帆に行き過ぎているのが、平坦な印象を与えるのかもしれない。

レアルでの活躍により、ある程度地位が確保できたサンティアゴにこれ以上どんなイベントが待ち受けているのだろうか。怪我というのも後遺症が残るほどの怪我ではなく、サッカーに関しては思いっきりプレーできる状態となっている。チームメイトと不和が発生するにしても、有名選手たちに演技させるわけにもいかず、そうはならないだろう。だとするとサッカー以外のスキャンダルがらみになるしかない。1は紛れも無くサッカー映画だったが、2からはそうはなりにくいのだろう。無理やりサッカー映画とするには、どうしてもチームメイトとの絡みが必要になるからだ。本作では無理矢理、架空の人物として背番号29のハリスと背番号30のサンティアゴ、この二人でチーム内の関係を描いている。

無理矢理、背番号29と30でレアル内のチーム状況を演出するのは、少し無理があるだろう。



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