ふたりの男とひとりの女


 2009.9.10  ブラックユーモア満載 【ふたりの男とひとりの女】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
超マジメな警察官チャーリーが面白い。正直、二重人格が目覚める前の段階が面白かった。ブラックな笑い。とても笑えるような状況ではないにも関わらず、なんだか笑えてしまう。情けなくも、同情してしまうキャラクターであるチャーリー。そんなチャーリーの面白さが終盤ではあっさりと消えてしまった。二重人格となってからも、ブラックなユーモアは続くが、極端に下品になり、笑えるのだが、ニヤリというような笑いだ。そんな中で一貫して面白かったのは、チャーリーの三人の息子たちだ。頭脳明晰で汚い言葉を使う黒人三兄弟。白人夫婦のはずが、息子は黒人。このシュールさというか、微妙な笑いが好きだ。後半は、まったく別物のようになっている。

■ストーリー

超マジメで人からバカにされるほどお人よしの警察官チャーリー。だがある日突然、ため込んだストレスが大爆発! なんと正反対の人格<ハンク>を目覚めさせてしまった。NYまで護送することになった美女・アイリーンに恋してしまうチャーリーだが、その途中で第2の人格<ハンク>が目覚めてしまい……。

■感想
チャーリー役のジム・キャリーが二重人格をきっちりと演じわけているのはさすがだと思った。最初の超マジメなチャーリーは、まさしくジム・キャリーの本領を発揮したというか、強烈なキャラクターを表現している。奥さんが産み落とした子供が黒人であるのを笑ってごまかす場面。取り出した医者の微妙な表情を見ると、そんな緊迫した場面であっても、笑いがでてしょうがなかった。その他にも巨体を揺さぶりながら、知的な会話をする黒人三兄弟。言葉遣いがスラング満載というのもかなりキャラ立ちしている。前半部分は申し分のない面白さだった。

中盤から後半にかけては終始二重人格関係でおしている。この二重人格のもう一方であるハンクが微妙なので面白さが半減している。途中、下品なギャグで確かにニヤリと笑える場面はあるが、それだけだ。キャラクターとしての面白さは、断然最初のチャーリーだ。ハンクが傍若無人でなんでもありなキャラクターであれば面白かったが。中途半端に喧嘩が弱く、それほどぶっ飛んでもいないので、チャーリーとの違いが曖昧になっていた。

紅一点であるはずのアイリーンもなんだかよくわからなかった。チャーリーが好きなのか、それともハンクなのか。アイリーンにそれほど魅力を感じないために、物語にメリハリが感じられなかった。チャーリーのドタバタっぷりだけが面白かったのだが、その他の部分が尻すぼみになったために、後半へ行けばいくほど退屈になってしまった。そんな中でも、黒人三兄弟だけは相変わらずの切れ味を示していた。このキャラクターだけで、ギリギリ作品の質を保っているようにも感じられた。

最初の設定のまま、逃亡劇にせず、二重人格のまま普段の生活を送っていればもっと面白くなっただろう。



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