2008.10.27 この世はコンピュータがすべてだ 【イーグル・アイ】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
この世はすべてコンピュータに支配されている。まるでそのことを強烈に主張するように、コンピュータに翻弄された人々を描く本作。正体不明の女から指示され、言うとおりにしないと、地下鉄さえも逆方向に動かしてしまう。まず、最初はこの正体不明の電話の主は何者なのか。そして、なぜそこまでコンピュータを思うがままに操作できるのかということを考えてしまう。途中からはもはや、笑うしかないほど、圧倒的に支配されてしまう。物語の面白さとしてのハラハラドキドキ感と、スピード感は相当なものがある。激しいカーチェイスや無人戦闘機を使っての攻撃など、常識では考えられない手段を用いてくる。それが本作の面白さの本質だろう。
■ストーリー
「私の言うとおりにしなさい さもないと死ぬことになる」突然かかってきた1本の電話。その瞬間から、コピーショップの店員ジェリーと、法律事務所で事務係として働くシングルマザーのレイチェルの平凡な生活は一変する。アリアという謎の女性に引き合わされたまったく面識のない男と女。彼らの愛するものを奪い、目的も知らせぬまま、次々と指示を伝え秒単位で行動させていくアリアは、二人を戻ることのできない恐怖へと巻き込んでいく…。
■感想
いったい黒幕は誰で、何のためにこんなことをするのか。主人公と同じく、観衆たちも疑問に思いつつも、強制的に指示に従うしかない。まさしく、映画の主人公と同じ気分で、物語に入り込むことができる。次々とエスカレートしていく指示と、なんでもありな世界。多少コンピュータの知識がある人ならば、さすがにそれはできないだろうとか、それはいきすぎだと考えてしまう。本当に目的をはたしたいのであれば、まどろっこしいことを抜きにして、あっさりと達成できるはずなのだが、いちいち回り道をする。しかし、それが物語りとしての面白さとなっている。
コンピュータを支配すればできないことは何もない。なぜ?そんなことができるのかという疑問を、ビジュアルで分かりやすく説明してくれるのは良かった。画面上はまるでゲームの世界のように視覚的な面白さも演出している。できないことは何もない、小ざかしい小細工を用いながら、目的を達成しようとし、それを防ごうとするFBI。その気になれば、FBIを止めることなど簡単なはずなのに、それは決してしない。ドタバタアクションの中に近未来な世界が融合し、終始飽きることなく見続けることができる。
本作は現在のコンピュータ社会への警告なのか。ターミネーターのようなロボットによる反乱では真実味がないが、本作のようなパターンはもしかしたら、と思えるリアリティがある。すべてのコンピュータ機器がネットワークで繋がりつつあるこの世界において、未来を予測するかのような本作。ハリウッド的終わり方でお茶を濁したが、本来なら何も抵抗できずに支配されるがままになるしかないのだろう。ただ、今の世界にはそれほど完璧なコンピュータが存在しないから助かっているのかもしれない。
そのうちgoogleが似たようなことをやりそうで怖い。
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