ディック&ジェーン


 2010.6.2  真の夫婦愛を見た 【ディック&ジェーン】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
エリート会社員でマイホームも手に入れ、さらには昇進も。そんな順風満帆な人生をおくっていた男が、ある日突然大きな出来事に遭遇する。天国から地獄へまっさかさまのコメディということだが、この時期のアメリカでは同じような出来事がいくつも起こっていたのだろう。もしかしたら、元ネタではないかと思う家族もいたかもしれない。家以外、何もかも失った夫婦が次に目指したのは強盗だ。なんだかちぐはぐで強盗がうまくいかない面白さと、あっさりと強盗を成功させ、さもセレブのように振舞う夫婦。極度の見栄っ張りと、エリート意識が残っているあたり、変な面白さがある。ラストは強引なまでのご都合主義で今までのことがすべてなかったことにされるのはいつもどおりだ。

■ストーリー

おかしな夫婦の痛快強奪コメディ!!IT企業で働くディックは念願のマイホームを購入し、おまけに昇進も決定。まさに人生バラ色だった。ところが、ある日突然会社が倒産。思いつめたこの2人、コンビニを手始めに強盗稼業に全力投球!!すると、もともと勤勉な彼ら、犯行の度に胸を上げ、その手口もどんどん洗練されていく!

■感想
相変わらずジム・キャリーがでるだけで、コメディ度は三割り増しとなる。エリート会社員であるディックは会社が倒産してから、落ちぶれるまで。多少のプライドが残っているあたりが、面白さを倍増させている。さらには奥さんであるジェーンにまで仕事を辞めればと言っていたから、さぁ大変。どうにかして金を手に入れなければ、家から追い出されてしまう。金を手に入れる手段が、どうにも飛躍しすぎている。まともな就職先を探せなければ、あとは強盗しかない。このぶっとんだ思考原理と、なかなか強盗ができないあたり、行動力があるのかないのかよくわからない。

ディックとジェーンがあたふたする貧乏生活の間、子供がどうなっているかはまったくわからない。強盗で手に入れた資金からセレブ生活へと戻りはするが、ちぐはぐな印象はぬぐえない。二人の強盗に関しては、その後、なんの説明もされていないことから、あっさりとなかったことにされたのだろう。超ご都合主義なハリウッド的作品であるのは間違いない。ラストの展開にしても、コメディ的なカタルシスを得ることができ、まるくおさまったのだが、倫理的にはまったく筋道が通っていない。

幸せな生活から、とたんにどん底生活へ陥っても、夫婦仲が良いのが本作の特徴かもしれない。まず真っ先にお互いをののしりあうのが定番だが、本作は最後まで夫婦二人、しっかりと助け合い強い絆で結ばれている。なんだかんだいっても、二人が幸せそうに見えるのは、夫婦仲が良いからにほかならない。細かいことは抜きにして、夫婦の愛の形がある意味試される状況で、しっかりと二人の絆を示すことができている本作は、真の夫婦愛を描いた作品なのかもしれない。コメディ要素に隠れてはいるが、実は一番のポイントかもしれない。

ラストはなんだか根拠なく泣けてきたりもする。



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