ぼくたちと駐在さんの700日戦争


 2009.10.2  演出が特徴的だ 【ぼくたちと駐在さんの700日戦争】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
原作は未読。演出で面白さを倍増させようという雰囲気がぷんぷんしている。そのことに対して嫌悪感を抱かなければ十分楽しめる作品だ。ちょうど少し前に人気があったルーキーズのように、わかりやすいストーリーをメインとしていることで、誰もが楽しめるようにできている。ただ、大げさな演出と、特殊なキャラクターたち、そして、ありえないような駐在さんなど、漫画的な要素があるのはしょうがないことなのだろう。当然、そんなことはおりこみづみで見るべきだが、そうではないと見ていて辛くなる。大笑いするような作品ではなく、ニヤニヤとしながら、くだらなさに笑ったり。終始目が離せないという熱中度は少ないが、それなりに楽しめるようにはなっている。

■ストーリー

イタズラを仕掛けることに生きがいを感じていたママチャリ率いる7人は、ある男の出現により、存在が脅かされることに。その男こそ、国家権力の下で正義を守るべき公務員の駐在さんで、言語道断の問題大アリな日本一大人気ない男だった!?

■感想
いたずら好きな高校生が駐在さんと引き起こす争い。ストーリー的にはありえないのだが、王道といえば王道だ。ちょっとやんちゃな高校生たちが、イタズラをしかけ、それに対して対抗してくる駐在さん。単純なエンターテイメントとしても面白く、演出もそれを意識している。ただ、くだらなさも相当なものだ。演出でどうにかごまかしているというのはあるが、くだらないことに耐え切れないと、見続けるのは厳しいだろう。ある意味、王道的な青春物語だが、とりたてて感動を呼び起こそうとはしていない。あくまで楽しませよう、笑わせようとしている。

キャラクターがメインなのは確かだが、感情移入するのは難しい。ありえないような登場人物たちなので、現実感はない。駐在さんにそこまでいたずらしてただで済むはずがない。しかし、そのあたりは変な教師が叱るということであっさり済ましている。イタズラの内容も、とりかたによってはかなり悪質なものもある。しかし、そのあたりはお決まりどおり、それほど深刻には考えない。駐在さんのキャラクターも厳しいのか甘いのかよくわからない。場合によってコロコロ変わるのも、本作の特徴なのだろう。駐在さんが高校生を山の中に放置して問題にならないはずがないのだ。

やんちゃな高校生たちが好き勝手に暴れ周り、最後は少しの感動を呼び起こす。出演者もかぶるということで、どことなくルーキーズを思い出した。王道的な感動ストーリーを押し付けがましくない程度に主張しているが、物語のトーンとしては泣けるわけがない。あくまで本作はエンターテイメントとして面白さだけを追及している。現実的なことには目を瞑り、単純に演出とキャラクターのリアクションを楽しめば、十分に笑える作品かもしれない。

強烈な印象に残るのは、特徴的な演出だ。



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