2009.10.18 定番的感動作 【バガー・ヴァンスの伝説】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
本作の主人公は間違いなくジュナのはずだが、おいしいところはバガー・ヴァンスがもっていっている。バガー・ヴァンスに指導されてから、みるみる自分のスイングを思い出していくジュナ。名ゴルファーたちとの最後の対決は感動を呼び起こさせようとしている。しかし、かなりあざとい作りのため、ちょっと一歩引いて見てしまった。あまりに物事が良い方向へと進みすぎている。青年ジュナの純朴そうな表情と、バガー・ヴァンスの飄々とした態度。キャラクターとしては申し分ないのだが、きっちりと型にはまりすぎていて、先が簡単に想像できてしまった。悪くはないが、後々までしっかりと印象に残るような作品ではない。
■ストーリー
ジョージア州サヴァンナ。地元出身で、天才ゴルファーと期待された青年ジュナは、第一次世界大戦に参戦し、戦場で受けたショックからゴルフを捨て、酒に溺れる毎日を送っていた。そこへ、名ゴルファーとの対決の話がもちあがる。そして、バガー・ヴァンスと名乗る謎の男がジュナのキャディーを申し出てくる……。
■感想
中盤まではバガー・ヴァンスはいっさい登場しない。そのため、ジュナの情けない姿ばかりを見ることになる。それにしても、マッド・デイモンはなさけない姿がよく似合う。負け犬のジュナの前に颯爽と登場したバガー・ヴァンス。これはまさしく最もおいしい役だろう。キャディーとして様々な助言をする。ジュナが天才ゴルファーであることを見抜いただけでなく、人生についても諭しているようでもあった。これほど強烈なインパクトを放つバガー・ヴァンスがいるために、ジュナは主役のはずなのに、どうしてもちょっとした脇役的な扱いになってしまう。
名ゴルファーたちとの対決で、最後のクライマックス。誰もが予想するように、復活したジュナは名プレイヤーたちと白熱の勝負を繰り広げる。そして、最後の最後にジュナがあることをする。なんだかここへきて、無理やりジュナを印象付けようとしてる。確かにジュナのキャラクター的にはずるいことはせず、清廉潔白な主人公というキャラクターを貫きたかったのだろう。その結果、ラストの名プレイヤーたちとの争いでは、ジュナが一歩ぬきんでていたという印象を持つことになる。定番的流れで、もしかしたら人によっては涙を誘う場面となるかもしれない。
本作はジュナの復活劇と、ゴルフ場を巡るちょっとした争いも含めた青春物語だ。天才と言われたジュナが戦場から戻ってくると、腑抜けのようなっている。ジュナの場面によって激しく変わる表情は、さすがマット・デイモンといわざるお得ない。ゴルフのスイングを見ても、マッド・デイモンはもしかしたら結構ゴルフがうまいのではないかと思った。結果的にはバガー・ヴァンスのおいしい部分ばかりが目立つ形となったが、それでも主役二人の名演はかなり見ごたえがあるだろう。
主役が二人いると考えれば、本作は十分見所のある作品だろう。
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