アンティーク~西洋骨董洋菓子店


 2009.5.29  BLを受け入れられるか 【アンティーク~西洋骨董洋菓子店】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
洋菓子店に勤務するイケメン四人たち。そこで巻き起こる出来事は…。ある程度予想はしていたが、まさかこれほどBL(ボーイズラブ)系だとは思わなかった。どんな男でもたちどころに虜にする妖艶な魅力を放つ男。まず天才パティシエであるソヌの男を虜にするというキャラクターが気持ち悪かった。このキャラクターを受け入れることができるかどうかで、本作を楽しめるか否かが変わってくる。店長であるジニョクの、ケーキ屋だけど甘いものが苦手というキャラは面白い。ただ、ほぼソヌの影響力が大きい本作にとっては、連続誘拐事件のことやジニョクの過去のことなど、もはやどうでもよくなっている。美しくおいしそうなスイーツが画面いっぱいに登場するのは見ていて食べたくなる。一転、ソヌのキャラクターを前面に押し出した場面となると…。これはもはや好みでしかない。ソヌを受け入れることができるかできないか、ただそれだけだ。

■ストーリー

甘いものが苦手なジニョク(チュ・ジフン)は、突然会社を辞めて洋菓子店アンティークを開店する。働く店ごとに恋愛トラブルを起こしてきた天才パティシエ、ソヌ(キム・ジェウク)をはじめ新たな仲間も加わり、忙しくも楽しい毎日が始まった。ソヌの作るスイーツに多くの人が魅了されてゆく中、町では連続誘拐事件が発生する。

■感想
イケメン四人が勤務する洋菓子店。イケメンたちにしびれる女性客ばかりがおとづれるのかと思いきや、物語は男×女ではなく、男×男という印象が強い作品となっている。それはすべてソヌという天才パティシエがこれでもかと自分の魅力をアピールするからだ。ソヌの妖艶な魅力にどんな男であってもたちどころにまいってしまう。ソヌの魅力がきかなかったのは、店長のジニョクだけ。さらにはソヌは女嫌いときている。物語は必然的にBL風味が強くなる。この手の作品は、どれだけBLを受け入れることができるかにある。確かに美しいのかもしれないが、やはり抵抗はある。正常な男であれば、どんな綺麗な男であってもやはり女のほうが良い。そこに気持ち悪さを感じるので、終始物語りに集中することはできなかった。

甘いものが苦手で過去に誘拐騒ぎを経験しているジニョク。一番まともなように見えるが、これも癖がある。洋菓子店にありがちな華やかできゃぴきゃぴとした雰囲気かと思えば、とたんに陰鬱な雰囲気となる。すべてはジニョクの過去が影響している。物語はこのジニョクの事件をメインとして洋菓子店に訪れる客に手がかりが…、という流れになっている。ソヌとふざけあっているジニョクから一変するのだが、このあたりはものすごく韓国映画らしいなぁと思わせるつくりだ。その他の従業員たちも、二人に負けないほどのイケメンだが、いまいちインパクトが弱い。全てはソヌのインパクトで作品全体がBL映画と見えてしまっている。

単純においしそうなスイーツの数々は、見ていてよだれがでてくる。ただ、甘いものに興味がない人にはどおってことないのだろう。それといっしょでBLに興味がない人にとっては、本作はもしかしたら苦痛以外の何者でもないのかもしれない。多種多様な恋愛はあっても良いのかもしれないが、どうもこの手のものだけは、映画作品として見ると気持ち悪くなってしまう。これが良いという人が多いからこそ、映画化されるのだろうが。原作漫画ファンならばよろこんで見るのだろう。

かなり見る人を選ぶ作品だと思った。



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