アフタースクール


 2009.1.21  わかっていても騙される 【アフタースクール】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
騙されるとわかっていると、どうしても警戒して見てしまう。その結果、ハードルは上がってしまう。今回も前評判からある程度ハードルを上げた状態で見た。にもかかわらずスパッと騙されてしまった。それも心地良い騙され方だ。ある程度予想していたとはいえ、つくり的には見事で、複雑な人間関係も最後にはすっきりと理解させてくれる。少し残念だったのは、ネタばらし的なものが、かなり早かったということだろうか。終わりの30分前にはバラしに入る。この段階だと、もしかしたら、もう一段階どんでん返しがあるのではないかと余計な勘ぐりを入れてしまう。微妙に入り込むコメディタッチもアクセントとなり、人物の性格付けに役立っている。確かに評価が高いのもうなずける作品だ。

■ストーリー

母校の中学校で働く人のよい教師・神野(大泉洋)の元に、かつての同級生だと名乗る怪しい探偵・北沢(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。北沢は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤めるサラリーマン・木村(堺雅人)の行方を追っていた。心ならずも神野は木村探しに巻き込まれてしまう・・・。人を疑うことを知らない男と、人の裏側ばかりを見てきた男。ちぐはぐコンビの捜査活動から、神野の知らなかった、友人・木村の一面が次々と明らかになり、物語は思いもよらぬ方向へと向かっていく・・・

■感想
冒頭から伏線だらけで、絶対にこれはあとで何か重要な意味をもってくるのではないかと、目を皿のようにして見続けた。その結果、逆にまんまとだまされてしまった。微妙にお笑い要素も含みながら、何かとてつもない事件が起きているのではないかと思わせる流れ。個性豊かな登場人物たちと、なんでもありな設定。北沢が持っていたノートPCがめちゃくちゃ高機能で、何でもできてしまう部分には、さすがに”そんなバカな”と思ってしまった。その場限りの面白さというか、当然のことだが登場人物たちの利害関係など考えてはならないのだろう。

本来なら計画に参加するはずではなかった北沢が参加したことにより、微妙に面白くなる本作。逆に考えたのは、北沢が参加しなければどうなっていたかということだ。ある程度の情報を観衆に与え、そして、勝手に想像させそれを思いっきり裏切る。北沢が神野に向かって木村の悪口を言いまくるのは、その効果を狙ってのことだろう。非常にうまくできていると関心せざるおえない。ポルシェの中に残された指輪。誰もが結婚を解消するために残して消えていったと思うだろう。後からネタばらしをされると、”やられた”と思うのは確実だ

この手の作品だと、観衆を煙に巻くために、登場人物の人間関係を明らかにしない場合がある。本作もセオリーどおり、多数の登場人物たちのつながりはよくわからない。最初のうちは一体だれが誰で、どうなっているのか混乱しかけたが、のちのちそれらはしっかりと理解できてくる。失踪した木村。ある一流企業。それに繋がるヤクザ。なぞの女。そして、危険な香りが漂う男たち。誰が味方で誰が敵なのか。だましだまされの展開。一人ハイテクを駆使して出し抜こうとする北沢。この中では一番北沢がわかりやすく、感情移入しやすいと思う。たとえ腹黒かったとしても、それはとてもわかりやすい腹黒さだからだ。得たいの知れない不自然さはない。

ラストの怒涛の展開で、今までのシリアス調がいっぺんにさわやかな作品へと変わっていく。この軽さは本作の特徴の一つなのだろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp