2009.7.4 サラリと楽しめる上質コメディ 【Mr★ディーズ】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
くだらないギャグにニヤリ。やりすぎな部分と、なんでも金で解決しようとするディーズに苦笑い。突然大金持ちになったディーズが、ニューヨークへ行き、はちゃめちゃを繰り返す。てっきり、金に執着のないディーズが何かとんでもなく大きなことをやってのけるのかと思いきや…。いきすぎな部分はあると思うが、基本的には面白い。ディーズのとぼけたキャラクターもそうだが、周りの登場人物たちも良い。細かなコネタも十分笑えるし、嫌味な部分もなく、やりすぎなところも苦笑いでなんとか乗り切ることができる。ラストの展開はあまりにぶっ飛びすぎていると思うが、それらを含めて本作の魅力なのだろう。そして、極めつけはマッケンローだ。まさか、こんなところに突然登場してくるとは思わなかった。マッケンローすらネタにする本作のパワーにバンザイ。
■ストーリー
突然の幸運でニューヨークに招かれ、召使いとの生活を送ることになったディーズと、彼の相続株を横取りしようとする会社の重役たちに、マスコミも巻き込んだ丁々発止の騒動が展開していく。
■感想
田舎に住む純粋な男ディーズに、ある日突然大金が舞い込んでくる。ディーズは金に執着せず、ただ自分の好きなように生きようとする。女性との運命的な出会いを夢見る、普通の男だった。それが、大金を手にしたとたん、マスコミに追いかけられ、ちょっと調子に乗り始める。最初の純粋なイメージそのままに、大金を手にした純粋な男というのは、やることが豪快だ。いや、豪快を通り越して、もしかしたらバカっぽく見えるかもしれない。レストランで暴れると、すぐに懐から札束をだして弁償する。昔のディーズならばやらないことをやってしまう。金はディーズを変えたのかと思ってしまう場面だ。
本作は終始くだらないギャグがちりばめられている。あまりにやりすぎな部分はそれが苦笑いに変わるのだが、基本は面白い。嫌味のない面白さだ。ディーズの純粋ゆえにあふれ出るバカっぽさ。それは本作の中でも語られているように、ニューヨークという都会であればこそ、発揮できるバカっぽさなのだろう。マスコミの取材攻勢や、信頼していた人の裏切り。会社の重役たちも決してディーズに不利なことばかり押し付けているわけではない。普通に考えれば、ディーズに良かれと思ってやったことばかりだ。ディーズの行動が裏目に出始め、物語は悲しい方向へと進んでいく。しかし、トーンはあくまで明るくバカっぽいのは変わらない。
ラストの展開もバカっぽさに拍車がかかっている。大どんでん返しとまではいかないが、まさかそうなるとは。基本はおバカコメディーなので、物語に細かな整合性を求めてはいけない。くだらないギャグと面白キャラクターたちを純粋に楽しむのが正解なのだろう。特にマッケンローが登場するあたり、まったく荒唐無稽だ。その他にも金や権力にしがみつくモノポリーおじさんなど、面白すぎる。声をだして笑う場面もあれば、ニヤリと笑える場面もある。金にモノをいわせて大暴れするというのもあるが、ディーズが純粋で嫌味のないキャラクターのために、違和感なく楽しんで見ることができた。
さらりと楽しめる上質なコメディだ。
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