50回目のファーストキス


 2009.11.8  ラブコメのゴールデンカップルだ 【50回目のファーストキス】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
それにしてもドリュー・バリモアという女優はすごい。登場してすぐは、なんてことない平凡な女のはずが、見ていくうちにどんどん魅力的になってくる。ラスト間近には絶世の美女と化している。本作ではそんなドリュー・バリモアと、これまた個性爆発のアダム・サンドラーのコンビ。二人はコメディをやらせたらピカイチだが、この手のラブストーリーもとても良い感じに演じている。眠るとその日の記憶がなくなる記憶障害によって、すんなりとカップルになるはずの二人に様々な障害が訪れる。二人のドタバタ加減や、周りのフォロー。そして、シリアスに流れることなく、どこか明るく楽しい雰囲気を演出する細かなギャグ。すべてがバランスよく配置されている。主演二人のすばらしさで、楽しい作品となっている。

■ストーリー

交通事故に遭って以来、“前日のことをすべて忘れてしまう”という短期記憶喪失障害を抱えているルーシー。そんな彼女に、水族館で獣医として働くヘンリーが一目惚れし、愛を告白し続ける。ルーシーは彼の優しさと愛に触れ、毎日恋におち、毎日ファースト・キスをする。毎日がやり直しの恋。少しずつ進展していくと思われた二人の関係だったが、ルーシーは自分が愛する人の重荷になると思い、別れることを決意する…。

■感想
事故によって記憶障害をおこし、常に決まった毎日を過ごすルーシー。観光地で次々と観光客をナンパしていた、軽薄なヘンリー。本来なら、前日の記憶を無くすルシーは、ヘンリーにとってもっとも都合の良い女のはずだが、ルーシーに限ってはそうではなかった。ヘンリーが恋に落ちる必然性はすこし薄いが、それでもお似合いの二人は見ていてとても好感がもてる。どちらかといえば、二人ともシリアスな演技よりも、少しコメディが入った役の方を得意とするだけに、二人はまさにはまり役だった。もちろん、コメディだけでなく、しっかりと感動も引き起こしている。

二人の周りにいる、気のいい仲間とルーシーの家族たち。周りの助けなしでは、二人は決してうまくいかないだろう。魅力的なルーシーと面白くて頼りがいのあるヘンリー。くだらないギャグを連発しながらも、ヘンリーの頼もしさというのは画面からにじみ出ていた。二人の演技がすばらしいのはもちろんのこと、ただルーシーの病気だけをピックアップするのではなく、その他のエピソードも交えている。ナンパな男が一人の女にぞっこんになる。女は常に新鮮な気持ちで、何回もファーストキスを経験できる。普通に考えるとかなりしんどい状況ではあるが、ヘンリーはそれを楽しんでいる風でもあった。

ルーシーが最初に登場したとき、ちょっとぽっちゃりとした姉ちゃんでしかなかったのが、後半ではすばらしく輝く素敵な女性へと変貌している。演出的なものもあるのだろうが、この女優は最初と最後ではずいぶんと印象がさまがわりする。それも良い方にだ。見れば見るほど魅力的となり、演技に吸い込まれるようだ。もちろんヘンリー役であるアダム・サンドラーのサポートもあるのだろうが、ここまで印象が変わるのもめずらしい。たまにヒロイン役の女優にまったく魅力がない作品があるが、そうなってくると作品全体の質が下がったように感じられる。本作は逆に、ヒロインが作品の質を大幅に上げている。

常に新鮮な気持ちでいられることが、良いのか悪いのか。倦怠期のカップルが見るにはちょうど良いのかもしれない。



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