容疑者 室井慎次


2006.4.11 シリーズとは別物だ 【容疑者 室井慎次】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
踊る大捜査線でのキャラクターを使った刑事物。警察内部の権力争いや様々な利害関係からお互いを牽制しあう様は見ごたえがある。日本の警察機構の権力構造が垣間みえるような作品なので、それだけにリアリティはあるのだろうがあまり実感はわかない。シリーズの看板である織田裕二やユースケサンタマリアが出演していないので、華がないといえばそうなってしまうがそれでも作品の内容としては、まったく別ものとして十分楽しめる作品だ。

■ストーリー

新宿で起きた殺人事件の捜査本部長を務めていた室井管理官。その事件の捜査線上にあがってきたのはなんと現職の警察官。だが取り調べ中に被疑者は逃走、交通事故で即死してしまう。そんな中、被疑者の母親は過剰な取り調べがあったとして室井を刑事告訴する。

■感想
今までのシリーズとは少し違った雰囲気を持っており、まるっきり別ものと考えたほうがいいかもしれない。しかし相変わらず合間合間にギャグっぽいことがちょこちょこ挟まれており、緊迫した雰囲気の中にもそこだけニヤリと笑える何かがある。

毎回思うのは、頭が切れて、実力もある悪者役の人物がかならずといっていいほどある一定のパターンにあてはまっている。頭が良く、勉強もでき、実力もあるがどこか社会に不適応な人物。打ち合わせ中にゲームをしたり突然暴れだしたり、
現代っ子の悪い部分を強調しているような感じだ。良い悪いを明確に分けるためにはよいのだろう。

警察内部での権力闘争や利害関係の不一致で展開がめまぐるしくかわる。本作はみようによってはミステリーにみえなくもないが、事件の本質がどうとかほとんど問題にされていない。事件にかかわる人物が裏で働く力によってこれほど大きく影響されるのかということと、それに対して必死に対抗する室井管理官の生き様が描かれている。

しかし、新宿の刑事たちの風貌を見ると、そこだけやけに漫画っぽく感じてしまうのは僕だけだろうか。



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