ウェブ進化論 


2006.5.28 今まさに変化の途中 【ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
仕事柄、この手の話は得意だ。技術的なことは僕にとってはとりたてて新しいと感じることはなかった。おそらくそれほど革新的なことが書いてあるとは誰も思わない。しかし本書の中で語られている時代の流れ、全世界を巻き込んだ流れを感じると、なぜか無性にあせりを感じてしまう。同じ土俵で仕事をしている人間にとっては、何か自分が置いてけぼりになっているような気にさえさせる。こんな感覚は久しぶりだが焦ってもしょうがないのでどっしりと構えようと思った。

■ストーリー

インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と検索技術の革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の秩序を再編成しつつある。

■感想
技術的革新により劇的な変化!!知の再編!!など、煽り文句がすごい。確かにグーグルやフリーソフト関係はこれから主流になるだろう。その流れを止めることは誰にもできない。その流れに乗り切れるか、または乗り遅れるか。今、普通に会社勤めしている人々は僕を含めおそらくほとんど乗り遅れるタイプだろう。では、乗り遅れないためにはどうすればいいのか?ベンチャー企業に入るか?自分で企業するか?アフェリエイトをはじめるか?

単純に世界の流れを読むだけならばこれほど的確に表現しているのもはないだろう。今売り出し中の企業の秘密やこれから成長する企業の仕組みなど、非常にわかりやすく刺激的なものだ。では、それを自分の会社で実践できるかというと・・・。それはとても難しい。それがわかっているだけに今の自分の立ち位置を認識すると、本書の流れからは明らかに外れているのでとても焦りを感じてしまった。

その焦りから、突発的に会社を辞めて自分で企業するのもいいだろう。アフェリエイトサイトを作るのもいいだろう。この感覚はちょっと前の週末企業ブームと同じものを自分の中に感じた。本書はとてもわかりやすく、技術的に特殊なことが書かれているわけでもなく、間口が広いすばらしい書籍だと思うが、
流れに乗れないものを焦らせるのも一級品だと思った。

別に、流れに乗って主流派になるだけが人生ではないが、30代になる前に何か始めなければという焦りを常に感じていた者にとって、本作はその焦りを増幅させるのには十分な作品だ。



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