2005.10.24 精神的な死 【私の頭の中の消しゴム】
評価:3
■ヒトコト感想
医者が若年性アルツハイマー病の患者に対して、精神的な死を意味するようなことを言っていたのだが
本当にそうだろうか?チョルスが記憶が薄れていくスジンを看病し続けるのは愛ゆえに??
勝手な解釈だが、何か希望にすがりたかったんだと思う。決して治らないはずがない、
偶然にも奇跡が起きて記憶が戻ると・・・。
肉体的には何の問題も無ければどうしてもいつか奇跡が起きるのではという淡い期待を持ってしまう。
チョルスの気持ちを考えると辛さと共に、苦しさをものすごく感じた。
見た目的になんの問題もないだけになおさらだろう。
■ストーリー
不幸な恋愛から人生のどん底状態の時、偶然にも運命的な恋に落ちた
デザイナーのスジン(ソン・イェジン)と建築家を目指す大工のチョルス(チョン・ウソン)。
二人は出会い、愛を育み、親の反対に遭いながらも最後は祝福され幸せな結婚をすることになる。
ふたりは夢見るような幸せな日々を過ごすが、スジンが若くして記憶が欠落していく病
「若年性アルツハイマー病」にかかったことで幸福な日々は一変する。
夫を忘れていくことを恐れるスジンと、彼女が自分を忘れていく悲しみに耐えるチョルス。
症状が進行するなか、スジンはある決断をする。
■感想
チョルスは男から見てもカッコイイと思う。
背が高く、がたいもよく、頼りがいがある。それでいてちょっとぶっきらぼうだが
ふとしたところで優しさを見せたり、ユーモアも見せる。
ここまでの男でさらに愛する人を大事にする。
こんな完璧な男がいるのだろうか、非現実的と思ってしまう自分が嫌だ(笑)
前半は運命的な出会いから、幸せな結婚生活までを語り、チョルスも出世し順風満帆に見える
その幸せが長く続かないというのを突然訪れる不幸であらわしている。
幸せな生活までを長い時間かけて丁寧に語っているので、その落差はものすごいものだ。
告知されたスジンよりも医者から知らされたチョルスの顔の方が印象に残っている。
闘病生活の中、スジンがチョルスに対して昔の男の名前を呼ぶ場面では、チョルスの辛さが
手に取るように分かり、それでも普段どおり振る舞うチョルスの心の中を想像すると
とてもやりきれない気持ちで一杯になった。
好きな相手に自分の存在を忘れ去られることはある意味相手が死ぬことよりも辛いかもしれない。
この世の中に彼女にとっては自分が存在していないことになると共に、
今まで過ごした時間は全て無駄だったということになってしまう。
悲しく、苦しい物語なのだろうが、なぜか僕は全く泣けなかったし、こみ上げてくるものすらなかった。
なぜか分からないが、若年性アルツハイマーの患者に対するチョルスの対応は下手したら
偽善的に見られなくもない、決して偽善ではないのだろうが、そうとれなくもない。
スジンの記憶の無くし方と、あまりにも突然容態が変わり過ぎるとい流れから
ちょっと嘘くささを感じてしまったからだろうか。
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