笑の大学


2005.5.29 プラスαがあればなお良い 【笑いの大学】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
舞台で好評だったものを新たに映画用に脚本を書き直した作品らしい。
映画にする意味があるのか?
映画にしたことで多数の人の目に触れる機会は増え、その掛け合いの
おもしろさを伝えることはできたかもしれないが、
本作を映画にした意味はあまりないと思う。
映画ならでわのプラスαがあればよかったのに・・・

■ストーリー
戦時下の昭和15年の東京。
検閲官・向坂は劇団「笑の大学」の座付き作家・椿に次々と無理難題をふっかけ、
直せなければ上演中止だと脚本の書き直しを迫る。
が、椿はその要求を聞いてさらに素晴らしい脚本を作りあげていく。
そんな2人が、ガチンコ対決を通して次第に不思議なきずなを芽生えさせていく。

■感想
検閲官と作家の掛け合いは確かに面白い。
特に役所広司が演じている笑わない検閲官が、ふとしたところで笑ったり
吹き出したりする部分はとても面白い。
役所広司のあのまじめぶった顔で吹き出すのだから、おかしくないはずがない。

その時代独特の雰囲気をだそうとして、町並みの風景などを取り入れたりも
しているようだが、それが微妙に冗長な気がしてならない。
とってつけたような感じだし、必要性もほとんど感じられない。
もし、これが舞台で出来なくて映画でやりたかったことというのであれば
効果はほとんど無いように思われる。

作家が書いた脚本がしょうもないもので、客観的に見ると、とても笑えるものではないが
それを真剣に議論しながら面白いと言っているのも滑稽だった。
あれほど真剣にくだらないことを論じている姿が逆に面白かった。

最初の印象通り、映画でやる意味がほとんど感じられない作品だったが
物語の本質は十分面白いと思う。
これで映画独特の何かプラスαを加えたら、もしかしたらおもしろさが半減していた
かもしれない。そのへんが難しいところなんだろう。
この作品が成功したか、失敗したかは映画と舞台両方見ないと判断は難しいかも。



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