2005.11.24 911を彷彿とさせる 【宇宙戦争】
評価:3
■ヒトコト感想
宇宙人襲来となると今までのイメージからどうしてもしょぼいイカみたいな宇宙人が
襲来するというイメージがあり宇宙戦争というと、どうしてもそのイメージが抜けきらない。
しかし、本作はさすがにスピルバーグが監督するあたり予算がたっぷりあったのか
全てがリアルで現実味に溢れている。ちょうど911を彷彿とさせる映像など
あまりにリアル過ぎて心が痛くなったりもする。
強力な宇宙人に対してなすすべもなくやられていく人類。全編とおして逃げまどう作品であり、
人間が餌にされるあたりは見ていてとても苦しくなる。
人類が協力して宇宙人を追い払うとか、ヒーローが現れて退治するわけでもない。
結末はわりとあっさりしすぎている感がある。今までの人類の苦しんだ鬱憤を晴らす機会さえ与えてくず、
不満がたまりそうだ。
どうせなら最後に原爆で追い払ったりとかなるとスッキリするが、それではあまりにマンガ的すぎる終わり方だ。
■ストーリー
世界各地で異常気象が発生するなか、
港湾労働者のレイ(トム・クルーズ)が住むアメリカ東部の街でも奇怪な雲が立ちこめ、
稲光が落ちると、地底から巨大ロボットのような物体が現れる。
異星人の襲来だと知ったレイは、別れた妻から預かったふたりの子どもを守りながら、必死に逃走。
しかし、異星人のパワーは予想以上で、街はどんどん破壊されていく…。
■感想
トム・クルーズはどうしても父親のイメージがわかない。
年齢的には問題ないのだろうが、イメージだからしょうがない。
娘役のダコタ・ファニングは本作の演技がかなり絶賛されているようだが、
確かにパニックに陥った時のギャーギャーと騒ぐ姿のウザサはものすごいものがある。
リアルにうっとおしい子供を演じさせるとナンバーワンかもしれない。
宇宙人から逃げまどうだけの映画と思われがちだが、親子関係にもかなり力が入れられている。
娘との関係はもちろんのこと、ヒロイズムに憧れる息子との関係。
ある場面でレイが息子よりも娘を選んだ場面があったのだが
そこでものすごく違和感を感じてしまった。なぜ息子を見捨てて娘を選んだのか?
その理由は説明されていないのだがそのあたりは流すべきところなのだろうか。
さすがにパニック映画らしく、人々が押し寄せる中、圧倒的な力で人類を殲滅していく宇宙人達。
映像はすばらしく、宇宙人が登場するときのあの何とも言えない音や
地面から登場する場面などはさすがにすばらしい映像と雰囲気を醸し出している。
宇宙人がどの程度人類を殲滅しようとしているのか分からないが、
一人二人の人間を求めて地下室にまでしつこく探しにくるのだろうか?
なんかあまりにしつこく探しまくるのでちょっと笑いが出てしまった。
作中では全世界で同じようなことが起こっているという会話は出てくるが、他の国の映像がでることはない。
恐らく局地的に襲われたとしなければ、レイ達が向かっている母親の家も残っている保証がないからだ。
ご都合主義と言われながらも全く無傷で無事な安住の地がないと物語に決着をつけることができないだろう。
見ている間は、人類の無力さと宇宙人の強力さに圧倒されたのだが、
終わってみるとやけにあっさりと決着がついた宇宙人に対して
ふがいなさを感じつつ、どうせなら最後は人類皆が協力し、
最終兵器で宇宙人を殲滅するという結末であれば今までの鬱憤を払うことができ、
精神衛生上よろしかったのだが、その終わり方だとあまりに不自然で途端にマンガ的になってしまう。
物足りないがこの終わり方がベストなのだろう。
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