ザ・インターネット2


2007.4.1 一個人の存在証明 【ザ・インターネット2】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ネット社会と言われる現代。何でもネットで可能になる反面、危険性を含んでいる。それを暗に警告しているのが本作……。となるはずが実際にはインターネットというタイトルがつく意味があまり感じられなかった。確かに主人公であるホープの職業がプログラマー系で、あらゆることをすべてネットですましてしまうというのはある。しかし本作の本質はネットとはあまり関係なく、一人の人間のアイデンティティを表現するのは外部の要因に頼ることが大きいということを思い知らされる作品だ。どこかで見たり、読んでいそうなネタではある。ただ、大量の資金をクリック一つで奪うあたりはネット社会の怖さかもしれない。

■ストーリー

仕事の変化を求めていたホープは、トルコの企業からヘッドハントされ、イスタンブールへ行くことを決意する。ところが現地へ着くと、身元が抹消された別の人間になっていたのだった。やがて、本当の自分を証明する人たちは次々に殺され、犯人として指名手配されてしまうホープ。しかし、それは巨大な陰謀の始まりにすぎなかった……。

■感想
いったい誰が味方で誰が敵なのか。途中からだましの連続で本当の真実がどこにあるのか混乱してしまう。それが巧妙に筋道を立てられた納得するものであれば問題ないのだが、なんだか行き当たりばったり的なものを感じてしまった。あらかじめ何らかの伏線が張られているとか、予兆があるとか。過去の回想形式で進む場面でも裏切りの連続の中で納得できるような場面はあまりなかった。フーン、そうなんだという思いだけが残った。

自分自身を証明する人々が次々と殺されていく。事態は大掛かりな物語へと進展していく。巨大な陰謀の影を見せながらも、事態の全容がなかなか明らかにならない。普通ならばこのあたりで次はどうなるかというドキドキ感がピークに達するはずだが、まったくそんなことはなく冷静に見続けた。というか見るより他なかった。

冒頭から警察に追われ、つかまる場面から一転、通常の旅行者のような展開へ。このあたりはいったいどのようにして警察に追われることになったのか、どんな出来事があったのかと興味を引かれた。しかし、そのカラクリが明らかになるとなんだか急激に冷めてしまう。ネットを駆使してピンチから脱出する場面もある。
ネットの怖さも十分にアピールしている。しかしタイトルにインターネットとつける必要があったかというと疑問だ。

巨大な陰謀の前には一人の人間の存在など、どのようにでもできる怖さを、ほんの少しだけ感じた。



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