タクシー4


2007.8.30 いつものタクシーではない 【タクシー4】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
今までのタクシーとはどこか根本的に違っている。ありえないスピードで疾走するタクシーが今回はあまり見られない。タクシーはおまけ程度で、メインはエミリアンとその上司であるジベールの間抜けっぷりだろう。その二人に比べると、今回のダニエルはやけに良識的というか、頼りがいのあるキレ者という印象をもった。作品全体のテンションは、いつものはちゃめちゃな雰囲気を保っているが、タクシー独特の疾走感は少ない。ただ、間抜け刑事を見て、素直に笑うべき作品なのだろう。

■ストーリー

タクシードライバーのダニエルと刑事エミリアン。二人はそれぞれ、家庭を持ち、幸せな生活をすごしていた。そんなある日、子供達のサッカー試合を観戦後、エミリアンには大きな仕事が舞い込んできた。全欧州から指名手配される凶悪犯、通称「ベルギーの怪物」をジベール所長と共に引き取りに行くことに…。 しかし、エミリアンはまんまと「ベルギーの怪物」の嘘に引っかかり、逃がしてしまう。。 逃亡した凶悪犯とその一味を追って、ダニエルとともにマルセイユを飛び出し、モナコへ追う二人。 果たして、凶悪犯一味を捕らえることができるのであろうか・・・。

■感想
冒頭の部分にタクシーの魅力が一番でていた。シセを競技場に送るためにタクシーで疾走する。相変わらずのスピード感と、なでもありなはちゃめちゃっぷり。やっぱりこれはタクシーだと思いださせる場面だった。しかし、それ以降はエミリアンの親バカっぷりや、間抜けっぷりだけが目に付き、それがお笑いとして十分になりたっている。全体的なテンションは相変わらず高いのだが、笑いの要素が今回は特に強いのかもしれない。

エミリアンの間抜けっぷりとは対照的に、ダニエルはずいぶんとおとなしい。エミリアンと自分の子供を面倒みるよいパパとなり、おいしいところだけもっていく。最後はタクシーらしく、タクシーを活用しているのだが、今回はずいぶんと車のシーンが少なかったように思えた。全体的にはベルギーの怪物の濃いキャラクターに全てが飲み込まれていたような印象かもしれない。

シリーズを見ていなくても十分に楽しめる作品だろう。しかし、本当のタクシーの魅力を知りたければ、本作では味わうことができない。あのなんでもありな、タクシーでの疾走感はほとんどでていない。ただ、エッセンスとしてお笑いの雰囲気は相変わらずのものがある。完全なコメディと化した本作。登場人物たちがすべて大真面目にやっているだけに、変なところで笑えてしまう。

今までのタクシーを思い浮かべると、もしかしたら少しがっかりしてしまうかもしれない。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp