探偵倶楽部 東野圭吾


2005.7.14 警察は役立たずだ 【探偵倶楽部】

                     
■ヒトコト感想
警察がいったんは事件を解決するが、探偵倶楽部が事件の真相を暴く。
事件の真相自体は驚くほど込み入ったもので、簡単に警察も
騙されてしまうのがちょっと嘘くさい
が、クールな探偵倶楽部の
探偵が謎めいて良い。
しかし、もう少し探偵のキャラクターを前面に出してほしかった。

■ストーリー
「探偵倶楽部とは、政財界のVIPのみを会員とする調査機関。
美貌の男女が秘密厳守で捜査に当たる」大手不動産会社社長・山上が自宅風呂場で感電死した。
電気コードを用いた家政婦の計画的犯行と処理されるが、
山上の妻・道代は夫の入浴の手順がいつもと違っていたことに疑問を感じ、
倶楽部に調査を命じた…。五つの難事件の真相を、探偵倶楽部が鮮やかに暴く。

■感想
謎の探偵倶楽部の捜査方法はほとんど登場しない、その為に
いったんは解決した事件の真相を解明しているのだが、その真相がとても複雑で
警察でもわからないものをあっさりと解明してしまう。
探偵倶楽部には分からないものはないとでも言いたいが如くすばらしい
調査なのだが、その探偵のキャラをもう少し掘り下げてほしかった
あまりに探偵倶楽部に対する描写がすくないので、少し実態感はあまり
感じることができなかった。

どうも今までの東野作品とはちょっと印象が違っている。
探偵が事件を暴くということと、その探偵の調査描写をほとんど表現することなく
物語が進んでいるので、どちらかというと被害者側から見た事件の
推移を追っているような感じだ。
なので、犯人の心理やその場での考えなどを知るすべがない。
いつもの東野作品とは随分趣が変わっていると思う。

本作の醍醐味は事件の真相が複雑でなおかつ意外であればあるほど
衝撃が大きいのだが、あまり無理して奇をてらいすぎると
途端に嘘くさくなってしまい、警察の捜査のずさんさも目立ってしまう。
本作の中にも何作かはそんな雰囲気を感じてしまった。




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