旅するジーンズと16歳の夏


2006.6.13 青春時代の淡い思い 【旅するジーンズと16歳の夏】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
16歳の夏はどうだったか。青春時代に感じる淡い思いや、それぞれの悩み。ジーンズはほんの些細なきっかけでしかないのに、そう思いこむと魔法のジーンズのように思えてしまう。登場する四人の女の子達はそれぞれ悩みを抱えながらジーンズと共に夏をすごす。客観的に見ると些細な悩みだったりどうでもいいことだったりするが、この年代には今がすべてであり、すべてが大問題なのだろう。はじける若さというものを感じるわけではないが、微妙な年代ならではの悩みがほほえましくもある。

■ストーリー

カーメン、ブリジット、リーナ、ティビーは共に育ち、喜びも悩みも分かち合ってきた仲良し4人組。16歳の夏、別々に旅に出ることになった彼女たちは、ある日全員にぴったり合う不思議なジーンズを見つける。その時4人は、素晴らしいアイディアを思いつく。それはこれから数カ月離れ離れになっても、このジーンズを友情の絆とし、1週間はいて、その間に起きた素晴らしいことを報告するのと一緒に、このジーンズを次の相手に送るというものだった。

■感想
今考えるとどうでもいいことでも、その時には人生が終わるほど悩みぬくものだ。特にそれが十代の多感な時期であればなおさらだ。四人の幼馴染達がそれぞれ分かりやすすぎるキャラクターの持ち主で、客観的に見ると同じグループとしてやっていけるのが不思議なくらいばらばらだ。そのキャラクターに合わせた悩みや葛藤があり、見ている者としては誰かに感情移入できるだろう。そして自分の同じ年代だったころを思い出すだろう。

ひと夏の思い出とはよく言うが、ジーンズが運んでくれた一夏の思い出なのだろう。ジーンズのおかげですべてが万事うまくいったとは思えない。中にはハッピーエンドに終わらないエピソードもあったが、それらを含めて人生はすべて都合よくいかないというのをアピールしているようにも思えた。

不思議な魔法のジーンズが、特別な効力を発揮したとは思えない。しかしそのジーンズが勇気を与えてくれたのは確かだろう。人は何かに後押しされれば、不思議と思い切ったことができる。それが仲良し四人組に共通した魔法のジーンズならばその効力は抜群だろう。

若いとき独特の
なんともいえないモヤモヤした気持ちを思い出しその時行動できなかったことを思うと、自分にも魔法のジーンズがあったら何か違っていたかもしれないなんて思ってしまった。



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