あの俳優が出ているものはどの作品も面白いとか
あの俳優が出ている作品はどれも面白くない、って感じで人それぞれ
主演の人物によって好き嫌いがあると思う。
僕の場合はトムハンクスが出演している映画は大はずれはなく
どの作品も標準以上に面白いと感じてしまう。
（某頭が禿げぎみな俳優主演の作品は僕にとって鬼門である）

東欧のクラコウジア（本作のために設定された架空の国）から
ニューヨークを訪れた旅行者ビクターが、
母国の突然のクーデターにより“無国籍”状態になってしまう。
アメリカへの入国許可が下りないまま、
彼は空港のターミナルで9ヶ月間も過ごすことに…。

最初はビクターが英語がまったく話せないので周りの
言っている事がわからずに右往左往する場面でかなりヤキモキしたというか、
イライラしてしまった。まあ、そこまで物語にのめり込んでいたんだろう。
最初からそんな感じで物語にどっぷりつかっていたので
安心して見ることができた。

空港に住むという非常識さを感じつつも、
周りが自然に受け入れているので見ている側も自然に受け入れてしまう。
トムハンクスの人柄か、いかにもいい人ってオーラをだしまくっていて
そのおかげで物語は実はかなり深刻なはずなのに、全然感じさせない
ちょっとしたコメディータッチになっている。

悪役も分かりやすくビクターをいじめるのでよりビクターに対する
同情もわいてくるし、予定調和的に綺麗なスチュワーデスと愛が成就
しそうになるが、しないところがまたいい。
トムハンクスは普通の人を演じさせるとピカイチだね。

感動するとか、考えさせられるとかいうのは無いが
コメディ部分と暖かい仲間達とのふれあいなど、とても分かりやすいので
銃撃戦や災害パニックに辟易した人は見るといいかもしれない。