2007.9.30 女四人、生き方探し系 【ストロベリーショートケイクス】
評価:3
■ヒトコト感想
女四人のそれぞれの生き方を描く。とりわけ性的な部分に焦点が当てられている本作。四人にどれだけ共感でき、感情移入できるのかが本作のポイントなのだろう。恐らく男と女で見終わった感想は随分違うような気がした。男的な視点で見ると、どれも当たり前でありながら、納得できない部分が多かった。生きる目的が曖昧なままダラダラと日々を生きるのは男も女も変わらないのだろう。ただ、その肉体を武器にできるのは女の特権だと思っている。この手の生きかた探し系の作品は世に大量に出回っているが、その中のひとつでしかない気がした。
■ストーリー
泣いてすがった大失恋を経ても尚、恋がしたいと口癖のようにつぶやく里子。フリーターの彼女の今の仕事はデリへル店「ヘブンスゲイト」の電話番だ。最近親しく口をきくようになった店のNo.1の秋代は、稼いだ金で一人で生きて死ぬために5階以上の高層マンションを買うつもりでいる。一方、イラストレーターの塔子は仕事に没頭しながらも、口を開けば男と占いのことばかりのルームメイト・ちひろの能天気な態度にいらいらを募らせていた。
■感想
本作を女性が見たら、また随分違った感想を持つだろう。本作に登場する四人は、全てがどこか男に依存している。デリヘルの秋代であっても、イラストレータの塔子であってもそうだ。最終的な目的が一人で生きることではない時点で、どこか男に依存しているようにも感じた。別にそれが女の幸せだとは思わないが、本作に登場する女は、どこか男がいなければまるでその存在価値がないような思いを持っている印象をうけた。
生き方を模索する四人の女。最終的には、それぞれなるべくしてなるような結末を迎えている。それは決して幸せな結末ではないが、前向きな雰囲気で終わってる。この最後の姿を見て、同じように元気を出す女の人もいるかもしれない。普通の女性は本作の四人の中で、誰かに感情移入できるのだろうか。ありがちな四人だとは思わないが、男に対する思いとしてはどこか通じる部分はあるのかもしれない。男的視点で見ても、似たようなタイプの女性はいるような気がする。
登場人物のほとんどが女性で、男はほんの脇役でしかない。全体的にパステルカラー調の淡い雰囲気と、淡々とした音楽。物語的には暗い場面であっても、淡い雰囲気でごまかしている。この手の生き方探し系としては、全体的なトーンは明るく感じてしまう。主役が女性で、前向きな雰囲気でそう感じさせてはいるが、内容は意外にディープである。そのため、誰もが本作を受け入れられるとは思わない。
男から見ると、結局結論を先延ばしにしているだけの作品に感じたが、女が見るとまた違うのだろうか。
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