スターダスト


2008.3.23 ザ・剣と魔法の世界 【スターダスト】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ありきたりと言えばそうかもしれない。よくあるファンタジーで、先が簡単に想像できる。まあ、誰もが考えるストーリーで、誰もが考える映像が登場する。しかし、この王道的展開をしっかりと形作るのも難しいと思う。ある程度割り切って見れば、本作は純粋なファンタジーとして十分楽しめる。勇者でも何でもない青年が、未知の世界へ旅に出る。そこで出会う魔法使いや王位継承候補である王子たち。定番すぎる定番だが、剣と魔法の世界は見ていて楽しい。特に魔法使いの描写が秀逸で、若返りながらも、意地悪さを前面に押し出したような表情は素晴らしい。この魔法使いがいることで、作品に刺激が加わり、ちょっとしたスパイスとなっている。

■ストーリー

長い石壁によって、人間の世界と魔法の世界が仕切られている世界に流れ星が地上に落ちて美女に変身する。そして、彼女と出会う人間世界の青年。ふたりを中心に、永遠の命を得るために流れ星を400年間も待ち続けた魔女の三姉妹、いまだに王位継承に未練がある亡霊となった王子たち、さらに空飛ぶ海賊らが入り乱れ地上に舞い降りた美女の争奪戦が始まる。

■感想
地上に舞い降りた美女を追い求める物語。ファンタジーの定番である中世ヨーロッパ風な町並みと世界観。そして、魔法使い。さらには空飛ぶ海賊船など。どこかドラクエ風な雰囲気を感じるのは気のせいだろうか。ドラクエに近いのではなく、ドラクエが定番のファンタジーになぞっているのでこのようになるのだろうが、それにしてもステロタイプのファンタジー的面白さは十分感じることができる。そして、個性があるとすれば、この魔法使いだろう。意地の悪さが表情にまで表れ、邪悪な魔法を駆使する。魔法使いのインパクトのでかさがその他のありきたりな部分を凌駕している。

ファンタジーの中にもブラックな部分が垣間見える。あっさりと躊躇することなく、王位継承候補者を殺していく。すると、すぐさま幽霊となり、物語の成り行きを眺めることになる。やってることはものすごく残酷で容赦ないのだが、こうもあっさりとやられると、何も感じることなく、淡々と物語の一部として楽しむことができる。残酷さでいえば、もちろん魔法使いも負けてはいないが、魔法を使う分だけ、衝撃度は和らいでいる。

三者三様の理由で追い求める、地上に舞い降りた美女。そして、なぜかそこだけ時代も何もあったもんじゃない空飛ぶ海賊。テクノロジー的なものはまったく無視された流れであり、物語はお決まりどおり都合の良い方向に流れていく。ちょっとしたラブストーリー的でもあるが、基本はドタバタファンタジーには間違いない。このドタバタ具合を楽しみながらも、ファンタジーの王道とも言うべき流れを見る。人によっては眠ってしまうかもしれない。それほど当たり前といえば当たり前の流れでしかない。

睡眠が十分に取れた状態で、なおかつ映画を見るぞと気合が入った人が見るべき作品だろう。片手間に見ると途端に睡魔が襲ってくるだろう。



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