2006.3.30 格闘ゲーム的な異種格闘技戦 【SPIRIT】
評価:3
■ヒトコト感想
冒頭から始まる、まるで格闘ゲームのような異種格闘技戦。中国拳法の達人が数々の外国の格闘家達を打ち破っていく。そして最後に登場するのは中村獅童演じる日本人だ。中村獅童にとっては最高の登場シーンだろう。まさに最後の戦いという感じだ。物語は回想シーンに入り、幼いころの辛く苦しい修行のシーンが出てくるかと思いきや辛く悲しい物語がまっている。格闘シーンはさすがに迫力があり、その動きから目が離せない。真の格闘家とはどんなものか、主人公が悟りを開いていくように成長して行く物語かもしれない。
■ストーリー
病弱だった少年は、やがて成長し天津一の格闘家となるが、その傲慢さゆえに恨みを買い、家族に向けられた凶刃によって悲劇のどん底に落ちていく。いくつもの苦悩と、数知れない戦いの果てに、彼を待受けていたのは歴史に残る大舞台。史上初の異種格闘技戦だった。全世界から集まった屈強な男たち。会場に渦巻く興奮と野望。しかし、彼の胸にある思いは、勝者の栄光を掴むこととはまったく無縁の、静かにたぎる情熱だった…。
■感想
異種格闘技戦の面白さがぎっしりと詰まっている。中国拳法の達人というのは分かるのだが、異種格闘技戦において相手の土俵で戦い、なおかつ相手を打ち破ってしまうその懐の深さに脱帽だ。最後の日本人との戦いも日本的な何か特別な特徴があるわけでもないが、柔道着を着ているだけで、日本対中国というような図式になっているのも面白い。
アクションばかりかと思いきや、回想シーンでは辛く悲しい場面も登場する。暴力からは何も生み出さない、復讐は連鎖する。中国拳法は己の鍛錬のためにおこなうものだ。それを悟るまでの主人公の浮き沈みの激しい人生は、まさに波乱万丈といっても過言ではない。すべてをなくした後に山に逃げるように篭るのもよく分かる、人間の醜さや傲慢さ、そして弱さをすべて表現しているようだ。
なんだかんだ言っても本作のメインは格闘シーンだろう。筋肉隆々のプロレスラーや武器を持った大男達に立ち向かう主人公。ジェットリーの体格も決して小さいほうではないが相手と比べるとやはり見劣りする。そんな主人公がアクロバティックに相手を倒す様は見ていて爽快感と共に、漫画を見ているような気がしてきた。
漫画などでは最後に登場する強力な敵にも苦戦しながら勝つはずなのだが、本作ではそうはいかない。前フリとして「この戦いが終わったら~へ行きたい」というような死亡フラグも立っている(笑)。漫画的にも見えなくもないが、アクションのすばらしさでそれを凌駕している。
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