ソーラー・ストライク


2007.7.14 最後はなんでもありだ 【ソーラー・ストライク】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
太陽の異常活動で、地球上の生物が死滅の危機に直面している。冒頭から科学的な雰囲気を漂わせながら、太陽の熱の恐怖と、それによってどのような被害が起こるかを克明に表現している。科学的な話はどうでもいいが、本作は太陽によって通信衛星が破壊されたことによる影響の方を大きく描いている。特に原子力潜水艦に対する連絡手段がなくなることを致命的として描いている。科学的な前半と、何でもありな後半。いくらなんでも北極にミサイルを撃ち込むというのは強引すぎる。その後の生態系の汚染に関しては一切無視されている。

■ストーリー

大気中のメタン濃度の上昇と、太陽の異常活動により、大気圏炎上という状態に陥った地球。このままでは、地球上のすべての酸素が燃焼され、数時間ですべての生物が死に絶えてしまう。解決策はただ1つ、北極の氷を核ミサイルで爆破するしかない。人類の希望を乗せた原潜は北極海へ向かうのだが…

■感想
本作はハリウッド映画独特の切り口で描かれている。世界の中心はアメリカで、アメリカ以外は世界を救うことができない。その協力者としてほんの少しロシアの原潜が登場するが、基本はアメリカ本位には変わりない。前半の科学的な説明と、人類の危機に対する警告。そして、それを回避する方法が、北極に核弾頭付きミサイルを打ち込んむというありえない展開。ハリウッド映画らしい大味な展開と、映像の派手さはさすがだ。

太陽の異常活動で、空が炎に包まれ、全ての酸素が燃焼し生物が死滅する。炎に囲まれた空は圧巻だが、これまたありきたりなパニック映画として、他国の状況をただニュースで流すだけというおざなりな展開に少しがっかりした。地球の存亡を賭けた解決策を、主人公を含めた、近くにいる四人だけで話し合い、決定し、それを大統領に進言する。地球に与える影響の大きさを無視した小規模会議だと思った。

後半はロシア原潜に乗り込み、緊迫した潜水艦アクションをくりひろげる。一粒で二度おいしいと思うか、それとも落ち着きがなさすぎると思うか。潜水艦アクションにはずれはないという伝説もある。確かに映画として密閉した空間でのやりとりなので、作りやすく成果がでやすいのだろう。本作も例に漏れず、緊張感に溢れたよい場面となっている。作品として見ると、前半と後半の変わり身の早さには驚かされるが。

最初は科学的なだけに、最後に
科学を一切無視した、なんでもありの展開はちょっと興ざめした。



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