69 sixty nine


 2005.11.5 リビドー全開、元気が沸いてくる 【69 sixty nine】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
この時代を知らない自分にとっては、ノスタルジーを感じることもなく革命闘争に対して特別な思いもない。
しかし、この作品を見ると無性に元気がわいてきて、革命まではいかなくとも
何かを始めたいという気持ちになってくる。
それと共に、学生時代の思い出がフラッシュバックしつつ、またあのころに戻り
好きなことや、やばいことでもなんでも思いっきりやってみたいという思いがわき上がってきた。
この頃は女にモテたいということが行動原理になるんだと思い出した。

■ストーリー
1969年の長崎県・佐世保。高校3年生のケンは、憧れの学園のマドンナに近づきたいがために、
ロックコンサートや映画、演劇を総合したフェスティバルを開くことを決意。
友人のアダマやイワセらを巻き込んでいく。だがそのいきかがり上で、
高校の全共闘の面々と共に高校のバリケード封鎖をすることになってしまうのだった…。

■感想
女にモテたい為に、バリケード封鎖するっていう考え自体がかなり逸脱しているのだが、この年代独特の
思いこんだら突っ走る感が出ていてとても納得できた。
もしこれがケン一人っきりで孤独に作業し一人危険な思想を持ったままバリ封しているのであれば
とても納得できるものでもないし、見ていて不快になっただけだろう。
仲間と共に何かを成し遂げるという行為そのものに意味があるのであって、
その楽しさをわかっているからこそ、見ている者をワクワクさせ、そして心の底からわき上がる何かがある。

この年代に戻りたいなーと強烈に思ったのは、結構な事件を起こしても
うやむやにすますことができることだ。
今、このレベルのことを自分がやれば間違いなく社会不適応者の烙印を押されることだろう。
そういった意味でも、別に危険思想を持っているとかいないとかに関わらず、仲間と共に
革命的なことをやって、騒ぎたい
という気持ちが沸いてきた。

1969年の古くささをまったく感じさせない俳優陣なので、
とても現代的であり現代のドラマとしても十分に成立するだろう。
特に妻夫木と安藤の見た目のスマートさがより新しいという印象を観衆に与えている。
そんな二人が何でもありで暴れ回りつつも、周りの大人達が絶妙な距離感でサポートしているの良かった。
特に岸辺一徳の気弱な先生など、実際にどこにでも存在するキャラクターを体現している。

本能の赴くまま、女にモテる為にはなんでもする。
そのころのエネルギー溢れる行動原理を、思い出しつそのエネルギーが今の自分にないことを自覚し
ちょっと寂しくなりながらも、心は元気になれる作品だ。



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