シムソンズ


2006.8.18 爽やかな女子高生達 【シムソンズ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
伊藤和子という名の主人公を演じている加藤ローサが良い。和子というダサい名前に似合わないルックスと、女子高生らしくキャピキャピしているのだがギャルっぽくない。どちらかといえば色気が足りないような気もしなくもないが、爽やかな女子高生がとてもマッチしている。そして最近ありがちな高校青春物(勝手に名づけた)の王道を押さえており、皆で協力して目標達成のために努力する。オリンピックの影響でカーリングという競技が多少メジャーになったという誤算はあるが、それでもマイナーな競技をがんばる姿には見ている者を元気づける何かがある。

■ストーリー

北海道常呂町。地元の高校に通うごくごく普通の女子高生、伊藤和子(加藤ローサ)は刺激のない毎日と夢のない将来に不満と不安を感じながら学生生活を送っていた。そんなある日、常呂町の英雄でオリンピック選手の加藤真人(田中圭)に誘われ、憧れの“マサト様”に近づくためならとカーリングのチームを作ることになる。

■感想
その競技を始める動機が不純なのはお決まりどおり。ウォーターボーイズやスィングガールズのように、最初は乗り気ではなかった仲間達が最終的には協力的になり目標を達成するために頑張る姿。カーリングという競技の特性上どうしてもハードトレーニングという印象派ない。汗水たらして苦しい練習を乗り越えての目標達成というわけにはいかないが、カーリングにもそれなりに(失礼)頑張らなければならない部分もある。ただ他の競技と比べるとそこに至るまでのテンションが低くなるのはしょうがないのかもしれない。

お決まりどおりマサト様絡みの恋愛模様も多少含まれているのだが、客観的に見ると辛い失恋であっても加藤ローサの爽やかさでそれ自体がそれほど深刻には感じないから不思議だ。もしかしたらこのキャラクターしか演じることができないのか、もしくはもっとドロドロとしたエロい女子高生を演じることもできるのだろうか?
加藤ローサのキャラクターでずいぶんと作品の雰囲気も変ってくると思う。

本作が実在したシムソンズを元に作られたというのは周知の事実だろうが、それでも映画用にいくつか脚色された部分は多いだろう。その中でコーチ役の人物が田舎親父風でとてもよかった。この部分がなければ常呂町という町での出来事ということを忘れてしまうからだ。カーリングの町というのはイメージがあるが、ポッと出の女子高生チームが勝ちあがれるほどカーリングは甘いものなのかという印象を持たせてしまう。

タイミングよくカーリングブームが起きたのでよかったが、これがマイナーな競技のままだとポッと出の女子高生が試合で勝ちあがってもマイナーだからという結論で納得してしまうかもしれない。



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