セレブの種


 2008.7.24  コメディ半分シリアス半分 【セレブの種】  HOME

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評価:3

■ヒトコト感想
エリート会社員が職を失うくだりは面白かった。今流行りの内部告発というやつなのだが、特に眉間に深いシワを刻んだ社長が良い味をだしている。そこだけで十分面白かったのだが、本作のメインはそこではない。種馬のごとく、次々と種を提供していく男の苦悩の話だ。需要と供給さえマッチしていれば、本作のような商売も不可能ではないだろう。ただ、無機質で人工的にできることを、あえて肉体を使ってやることに本作の面白さが含まれている。半分コメディが入っているようだが、やってるほうはどうやら大真面目なようだ。モラル的な問題や、人間的な部分での好き嫌いは除外して語られる本作。随分と突飛なようだが、良く考えたらありな商売なのかもしれない。当然、需要があればの話だが。

■ストーリー

ハーバード大学を優秀な成績で卒業し、大企業に務めていたエリート黒人のジャック。だが会社の陰謀で解雇されるハメに。職を失ったジャックだったが、レズビアンのカップルに“種付け”する商売を開始して…。

■感想
大企業の不正を暴くあたり、いきなり研究者が自殺するなど、非常にシリアスで興味深い導入部分から一転、物語はとんでもない方向へと流れていく。レズのカップルに種を供給するという話がでただけでなんとなく想像はついたのだが…。あえて、やる必要があるのかというのが一番の疑問だ。男の好みはお構いなし、依頼があれば一晩に何人も相手にする。まさに地獄のような生活なのだが、一回で百万以上もらえるのであれば、頑張ろうという気も起こるのだろう。相手が戦車みたいな女であっても、種族を残そうとする本能だけで反応する体。これが男の悲しさだろうか。

内部告発のごたごたと種供給というビジネスが途中でごちゃごちゃになり、何に対して裁判をされているのかわからなくなる場面すらある。マフィアの娘に種を供給したくだりでは、絶対に何かひと悶着が起こると思ったが、案の定予想通りの展開となる。契約社会のアメリカらしく、やる前には種だけを供給するという契約をしているようで、そのあたりのドライな雰囲気はちょっと日本人では信じられない場面かもしれない。母親を知っているだけに、あちこちに自分の子供が存在しているというのは、ちょっと複雑な心境だろう。

それにしても、一番気になるのはレズがそれほど子供をほしがるのかということだ。本作を見ていると、アメリカ社会にはレズが蔓延しており、カップルたちは子供がほしくてほしくてしょうがないというような感じらしい。一万ドルという大金をつぎ込んでも子供をほしがるというのが、アメリカ社会では一般的に通用することなのだろうか。日本では確実に本作のような作品が生まれることはないだろう。そして、それを受け入れる土壌もない。

普通の作品ではないことは確かだ。受精の描写も、あれはないだろう。冒頭のシリアスな雰囲気は、ホントに最初だけで、あとはちょっとした面白コメディとなっている。



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