六月の勝利の歌を忘れない Vol1


2007.2.12 選手たちの隠れた裏の顔 【六月の勝利の歌を忘れない Vol1】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ドイツワールドカップであっさりと負けた日本。いまさらなぜ日韓ワールドカップと思うかもしれないが、実によかった。表には決してでることのない選手達の裏の顔。誰が仲が良くて、誰がよく話をして、誰が恥ずかしがりやなのか。そして、この時から中田はチームから浮きがちだったということも伺い知ることができる。試合前日の練習風景や監督、コーチとのやりとり。選手達の素の顔はもちろん興味深いが、一番驚いたのはあの固そうなトルシエが選手とともに冗談を言い合い、じゃれ合うする姿だ。

■ストーリー

ワールドカップで日本中を熱狂させた日本代表チームのバックスーテージに迫り、彼らの真実を記録したDVD第1弾。キャンプ地集合から解団に至る30日間を密着

■感想
普段は表の顔しか見ることができない選手達。キャンプ地集合から試合前の練習。そしてプライベートな風景まで。どんな雰囲気でそしてどんなテンションで、またどんな感情で日韓ワールドカップを迎えたのか。すでに過去のものとなった現在でも、あのころの興奮と感動、そして今は表舞台から消え去った選手を含めて、日本代表というサッカーチームはこんなにも素晴らしいチームだったのかと思い知らされた。これを日韓ワールドカップが終わった直後に見るよりもドイツであっさりと負けた、今見るから余計そう感じるのだろう。

チームプレイなので当然合う合わないがあり、それらも画面から感じ取ることができる。特に中田など、ドイツワールドカップでの選手たちとの不仲が話題になってはいたが、このころからその傾向はあるようだった。ユース時代から仲の良い松田以外とはあまりうち解けているようには見えなかった。

ある意味一流のプロである選手達が練習中に監督やコーチから怒られる姿。実はこれも非常に興味深い。まるで高校の部活のように靴下を脱いで怒られる小笠原や無理な要求を突きつけられてキレ気味になる稲本。いくら一流選手といっても普段の練習風景は冗談も言い合えば、じゃれあったりもする。普通の人間なんだと改めて思い知らされる場面でもある。特にトルシエはメディアで作られたイメージとかけ離れた、非常に選手思いの良い監督に見えた。

本作の特筆すべき部分は、撮影者が気心の知れたスタッフということだろう。選手や監督、スタッフを含め映されることにまったく意識していない。そこにカメラがあってもまったく気にせず空気のような存在。そこで生まれる自然な表情と自然なリアクション。普段では絶対に見ることができない選手の生の顔。これは非常に貴重なことだと思った。

もしかしたらドイツでも本作のような裏側を撮った映像があるのかもしれない。チーム内の不和が噂されたドイツワールドカップだけに難しいかもしれないが、できれば見てみたいものだ。



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