2007.4.21 いくつになってもロッキーはロッキーだ 【ロッキー・ザ・ファイナル】
評価:3
color="#000000" size="3">■ヒトコト感想
還暦となってもその鍛え抜かれた肉体を維持するロッキー。リアルタイムにロッキーを見た世代は自分の肉体の衰えを感じる年代だろう。懐かしさと感動。必死にトレーニングしバックで流れる、あのテーマソング。これだけでたまらなくなる。多少しわが増え、しょぼくれたとはいえロッキーはロッキーだった。ボソボソとした話し方や眠たそうな表情。昔ほど心のそこから湧き出るような熱さはないが、ロッキーらしさを感じることができる。最後はご都合主義的な大逆転勝利で終わらないのも良かった。ロッキー世代は自分を見つめなおす意味でも是非見てほしい。
■ストーリー
妻を亡くし、イタリアンレストランを経営するロッキー。息子との関係がイマイチしっくりこないと感じながらも、昔の仲間を大事にし、平穏な毎日を過ごしている。ある日テレビ番組の企画でロッキー対現役ヘビー級チャンピオンの試合をシミュレートされる。そこでロッキーが勝つという結果をだされる。おもしろくないチャンピオンはロッキーに挑戦状を叩きつけ、無謀ともいえる対戦がラスヴェガスで実現することに。
■感想
ロッキーがもう一度ボクシングに挑戦する。まず最初に考えるのはその動機だ。全盛期のロッキーの暑苦しさを思い浮かべていたが、意外なほど毒もなく、熱くも無い立派な大人になったロッキーがそこにはいた。イタリアンレストランをおしゃれに経営し、常連客たちと気軽に談笑したり、写真を取ったり。その姿は立派な経営者の姿だった。過去の栄光を引きずるもっと落ちぶれたロッキーを想像していたが、予想外に幸せな晩年をすごしていた。
超有名人であるロッキー。その息子もロッキーの名声で何かと苦労し、ロッキーとの関係もしっくりきていない。このあたりから不穏な空気が流れてはくるが、終始ロッキーには満たされないものはあるにせよ、幸せな毎日を過ごしているように見えた。無謀ともいえる現役チャンピオンへの挑戦。これに踏み切らせた大きなきっかけをはっきりとは感じることができなかった。何がロッキーをそこまで熱くさせたのか、現在のロッキー世代と同じような煮え切らなさなのか。
激しいトレーニングとお決まりのテーマソング。そして、例の広場。これだけそろえばロッキーファンは大満足だろう。試合のシーンも還暦ということを一切感じさせない肉体と動き。相変わらず激しく打たれながらも、泥臭く相手にしがみつく。やっぱりロッキーはロッキーだなぁと思わせる場面が多数登場する。何か劇的なドラマがあるわけでもなく淡々と流れる試合の中で、最後の結末。観客を巻き込んでの大ロッキーコールはまさに鳥肌物だ。これこそロッキーの醍醐味だろう。
正直言うとロッキー世代やロッキーファン以外が見るには辛いだろう。過去の思い出に浸れなければただの平凡なボクシング映画としか感じない可能性がある。
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