ロック・ユー


2007.10.18 大迫力な槍試合 【ロック・ユー】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
中世ヨーロッパの馬上槍試合。試合というだけあって、本物の槍を使うわけではないのだが、この偽の槍が迫力を増している。馬ですれ違いざまに槍を相手に突き刺す。突き刺さらないかわりに激しくはじけ、砕け散る槍。鎧を着ているといっても、その迫力は相当なものだ。お決まりどおり、ライバルキャラクターが登場し、仲間と共に大会を勝ち抜くことに真剣になる。どんな窮地が訪れても、自分の力だけでなんとか乗り越えようとする。周りもしだいにその気持ちに感化され、最後は壮大なカタルシスを得ることができる。なんだか自然と心の奥底から感動してしまった。意外に良作かもしれない。

■ストーリー

時は14世紀。貴族だけ参加が許されるジュースティング(馬上槍試合)に、ウイリアムは身分を偽り出場を繰り返していた。強敵を相手に次々と大会で勝利を収めるウイリアム。しかし世界選手権の決勝前夜、謀略により身分を偽っていたことが発覚。その罪により処刑を宣告されてしまうのだった…。果たして彼の運命は!?

■感想
最初は金目当てであった槍試合も、いつの間にか目的が変わってきている。ライバルの登場や愛する人に対するアピールなど、槍試合を真剣に頑張る動機には事欠かない。それでいて様々な困難も待ち受けている。全体的に貴族でないウイリアムが、騎士道精神にのっとった正々堂々の戦いぶりを示しているのは好感がもてる。一方すばらしいライバルであったはずの人物が、後半からはいやらしい卑屈で汚い男になりさがっているのには少し驚いた。

正々堂々と戦い、最後まで自分の信念を貫く。それは戦いであっても恋であっても変わりはない。なんだかこの流れは、非常に見るものを爽快な気分にさせる。主人公が潔癖で完全な貴族的ではなく、庶民的な部分を持ち合わせているのも良い。圧倒的なライバルが存在しなくなると、あとは卑怯な手を使われ、アクシデントで困難が訪れるしかない。そして、その困難も、
奇跡ともいえる奮闘で乗り越えている。

槍試合のインパクトはかなりのものだ。砕け散る槍もすごい。槍がぶち当たると馬から落ちそうなほど後ろに反り返る姿。ただ、このメインの槍試合の難しさがイマイチよくわからなかった。なぜ主人公のウイリアムがこれほど強いのか、そして、他の者はなぜウイリアムになかなか槍を突き刺すことができないのか。ロック・ユーのテーマにのって、観衆が足と手を踏み鳴らせば、そんなことは一切関係ない雰囲気ができあがってしまう。

お決まりどおりだが、すっきりと最後にはカタルシスを得ることができる作品だ。



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