2007.10.1 なんだか懐かしさを感じる 【ロード・キラー】
評価:3
■ヒトコト感想
ハリウッド映画独特のスプラッターホラーではない。スプラッター描写が少なくとも十分恐怖感を与えてくれる、そんな作品だ。フラーとルイスの車内での軽快なやりとり。どこかビバリーヒルズなんちゃらを思わせるような青春の一ページである。そんな場面に突如として無線から流れる恐ろしい声。この声が本作のすべてだろう。とりわけ恐ろしい言葉を発しているわけではないが、声質と雰囲気で十分怖さを表現している。さっきまではしゃいでいた二人が急に恐怖の表情に変貌するのもよい。なんだかよくわからない怖さというのが実は一番恐ろしいのかもしれない。
■ストーリー
深夜、モーテルの17号室から男が消えた。翌朝、男はハイウェイで無惨な姿で発見された。その頃、フラーとルイスはコロラドに向かい、ガールフレンド・ヴェナを拾った。3人でちょっとした冒険旅行を楽しむつもりだったが、ルイスのCB無線が"声をキャッチした瞬間から悪夢が始まった。「女は俺のものだ」その人物こそモーテル事件の犯人だった。正体不明、神出鬼没の殺人鬼ロードキラーの標的として狙われた3人。ハイウェイは地獄と化し、逃げても逃げても絶体絶命の地獄巡りがはじまった!
■感想
キャラクターで言えば、このおどけたフラーが本作の全てだろう。フラーがいなければ、ただのドタバタ逃亡ホラーだ。フラーが狂言回しのようにアチコチ動き回り、物語を面白い方に導いている。古臭い青春物語を思わせるセリフ回し、そして、大げさなリアクション。それら全てが懐かしいドラマを見るようで、逆に今見ると随分と新鮮に見えてしまう。この雰囲気に少しのまれてしまったというのもある。
最近のホラーでは気持ち悪くなるほど激しいスプラッター描写で恐怖を誘発しているのだが、本作はいっさいそんなことがない。言葉として残酷な表現はあるが、映像としての表現はほとんどない。人によっては物足りないと思うかもしれない。しかし、このなんだか懐かしさを感じる雰囲気と、チープでありながら、しっかりと一本芯が通ったストーリーは必見だろう。いうなれば、丁度深夜にやっている古くさい海外ドラマのような感じかもしれない。
古き良きハリウッド映画が好きな人は必見だろう。子どものころに、ドキドキしながら見た水曜ロードショー的かもしれない。なんだかものすごく懐かしく、そして見た人をノスタルジックな雰囲気にさせる不思議な映画だ。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp