輪廻


2007.11.22 優香の叫びは耳障り? 【輪廻】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
前世の記憶がそのままホラーとなる。なんだかわからないが、不思議な恐怖感が前半部分にはある。それが、後半になってくると、流れが予想でき、誰もが予想するような結末へと流れていく。効果音的な怖さと、映像的な怖さ。両方を持ち合わせていると思うが、それだけで引っ張るには限界がある。ストーリーが単純なことと、優香の演技だけで、怖さを誘発しようとするには無理があるだろう。結末間近では、優香の叫びが耳障りで、うっとおしく感じてしまった。

■ストーリー

35年前にホテルで起きた大量無差別殺人事件が、映画化されることになる。その製作過程がドラマとなって進んでいくのだが、主演女優に抜擢された渚が、撮影が進むにつれ、35年前の事件と奇妙なつながりを感じ始める。渚だけでなく、複数の人物が前世の記憶に苛まれることになるのだが…。

■感想
観衆に怖さを感じさせるための小道具として、奇妙な人形や猟奇的殺人、そして、擦り切れたような映像。輪廻というタイトルと、合間合間に登場する女の子、そして、猟奇的殺人での犠牲者とくれば、おのずとからくりは見えてくる。まだ、すべての流れがはっきりするまでの導入部分はさすがに恐ろしかった。いったいこれから何が起こるのか、貞子的な怪物が登場するのだろうかなど、期待を持たせる展開であった。

後半になると、ストーリーを複雑にしようとするあまり、二つのパターンから攻めてくる。優香と香理奈。この二人が、それぞれ前世を意識しながら謎を解き明かそうと必死になる。なんだか、どこかリングに似た雰囲気を持ちつつも、謎も何も、その後の展開が
あっさりと想像できてしまう。夢か現実か、そして、前世と同じように襲われる優香。せまりくる恐怖に泣き叫ぶ優香。正直、優香のパニクッた演技がいい加減わずらわしく感じてしまった。耳にキンキン響く叫び声を永遠と続けるのは簡便してほしいと思った。

ラストの終わり方も感じ方は人それぞれだろうが、どうも納得できなかった。結局なんだったのか、すべてはわかっていたことなのか。ある程度の答えを提示されなければ、なんだったのかという気持ちばかりが後を引いてしまう。



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