リメンバー・ミー


2005.12.15 20年後も変化なし 【リメンバー・ミー】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
SF恋愛映画という位置づけが一番正しいのだろうが、SFの部分はサラリと流されている。 本来ならば、無線機越しに胡散臭い未来からの言葉を全て鵜呑みにすることはないはずだ、 それがたとえ近未来の予言が当たっていたとしても。 それが自分の恋愛に関することならばなおさらだろう。 この手のパラレルワールドものとしては何らかの血縁関係があるのがセオリーなのだが、 ちょっと意外な展開だった。しかし、未来の人物が過去に影響を与えるという意味では王道なのだろう。 それにしても結末の20年後のソウンはありなのだろうか? いくらなんでも20代のころと変わらなさすぎないか

■ストーリー
1979年、皆既日食の日。女子大生のソウン(キム・ハヌル)の持つ古い無線機から、 イン(ユ・ジテ)と名乗る青年の声が聞こえてきた。 やがて同じ大学に通っていることがわかり、ふたりは会う約束をするが、いくら待ってもお互い会えない。 実はインは2000年に生きる若者だったのだ……。

■感想
過去と未来をつなぐ不思議な無線機。コンセントに入っていない時点で普通ならば 怪しすぎて使うことができない。ましてそれで相手と話ができるとなると、 怖すぎてすぐにでも捨てそうなものだが。 そんな無線機を使って、過去と未来の奇妙なつながりができてくる。

まあ、普通に考えるとパラレルワールド物としてはありがちなパターンなのかなと思ったが、 結構意外だったのが、未来のインとの会話で早い段階で、 ソウンの運命を左右するようなことが暴露されてしまうということだ。 うっすらと気づきながらも、半信半疑というわけではなく、そのものずばりだ。 普通の恋愛SF物ならば、そこでソウンは自分の未来は自分で切り開くといわんばかりに 運命に抵抗するところだが本作ではあっさりとそれを受け入れてしまう。 それなりに葛藤するシーンはあるのだが、 胡散臭い無線機からの言葉を全て鵜呑みにし、 受け入れてしまうというのがちょっと納得できなかった。

過去と未来それぞれで恋愛に悩みをもっている。確かにソウンの悩みはわかるのだが、 インの悩みはいまいちよくわからなかった。 どうも恋愛のテンションの違いというだけのような気がしてならなかった。 それに比べるとソウンの悩みは共感できる人も多いだろう。

結末では全てに気づいたインがソウンを探し出し、幸せかどうか確認するという流れなのだが、 さすがにあれはやりすぎだと思った。 いくら、現在のソウンが輝いていると表現したいからといって ほとんど見た目そのままというのはまずいだろう。 20年以上経っているのに見た目が変わらないのはおかしすぎる。 自分の中でちょっとイメージしていたのだが、まさかそのまま出てくるとは、度肝を抜かれた。

判り易い恋愛SF物だが、感動できるかどうかは微妙だ。



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