プラナリア


2005.9.13 無職女性の悲喜こもごも 【プラナリア】

                     
■ヒトコト感想
正直、全然共感できなかった。これは世の無職女性達は共感できるのだろうか?
無職女性に限らず、本作の物語に共感できる人は、どこか壊れているのかと思ってしまう。
それほど痛い話しに思えて仕方がなかった
読み終わると何とも言えないけだるさを感じ、無気力にさせられた。
登場人物達もどこか無気力で無感動であり、それがサラリとなんでもないことのように
表現されているので、違和感を感じた。
ちょっと異質だが、はまる人にははまるのか??

■ストーリー
「生まれ変わったら、プラナリアになりたい」そんなことを口癖のように言う春香。
乳ガンの手術をし、自分の体にメスを入れてから、卑屈になった彼女。
何もかもかったるい毎日に、手を差し伸べてくれたあの人さえも拒否してしまう。
自分では悪いと思いつつも、他人に当たり散らし、自己嫌悪する毎日。
そんな自分、働かない自分を卑下しながら甘えを残し生きる。
この洞窟の出口はどこにあるのか・・・・。

■感想
直木賞作家であり、僕は始めてこの作者の作品を読む。
実体験だということはないと思うが、どこか歪んだ性格の持ち主なのだろうかと思ってしまう。
作品自体はかなり読みやすく、サクサクと進む展開には頁をめくる手も休まることはないのだが、
登場人物達の誰一人として共感できる人がいなかった。

人生に疲れきって、無気力な状態になった場合はこの作品の主人公達のようになるのだろうか?
今がエネルギーに溢れているだけで、歳をとると、
本作の人物達の気持ちが理解できるようになるのだろうか?

登場人物達も自分が痛いということを半分は理解しながらもそれをどうすることも
できないでいる。その気持ちはなんとなくだが分かるのだが、
1つ1つの行動がどうにも納得できないことが多かった。

女性が読めばまたずいぶんと印象が変わる作品だろう。
作品の中にでてくる身勝手な男達はある意味自分に当てはめる事ができそうだ。
本作を好きな女性にとっては自分は同じような身勝手な男に見られるかもしれない。



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