ペリカンマン


2008.3.16 家族みんなでどうぞ 【ペリカンマン】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ペリカンが人間に化け、ペリカンと少年の心温まる交流を描いている…。なんて触れ込みなのだろうが、特別感動的な場面はない。大人の人間にはない純粋さというものを持ち合わせてはいるが、世間知らずなペリカンだからこそ、そんな行動ができると考えてしまう。物語として、山があったり谷があったりするわけではなく、淡々と流れる物語。失恋であったり、環境に対しての思いであったりペリカンという純粋な目を通して、子供たちに訴えているようだ。見終わると、なんだかやさしい気持ちになれるが、刺激が足りないのはどうしようもない。親子そろって、子供に安心して見せることができる作品ではある。

■ストーリー

2005年シカゴ国際子供映画祭最優秀作品賞受賞作。レーナ・クルーン原作「ペリカンの冒険」を映画化した、ユーモアとエンターテイメントで包み込んだファミリー映画の傑作!人間に変身したペリカンと少年の心温まる交流を描く。

■感想
ファミリー向けとしては、これ以上ないほど向いているだろう。激しい暴力描写やラブシーンがあるわけではない。ペリカンから人間になった男(バード)が純粋に恋をし、そして、生活していく。周りの大人たちは暖かく迎え入れ、そして、平和な毎日を過ごす。そこまではお決まりどおり、ほのぼのとした流れの中でも、ペリカンが人間になる上でのひずみがユーモアを交えて描かれている。

正体がペリカンだとばれたとたん、手のひらを返したように辛く当たる大人たち。ある程度予想できたことだが、このあたりの描写は悲しくなる部分でもある。特別何か悪いことをしたわけでもないのに異端というだけで排除される。それは、さながらイジメに加担する子供たちに何か警告的なものを与えているようにも感じられた。特にバードの表情がペリカンを彷彿とさせるような細かな動きと、純粋でキラキラした目を見せられると、なんだが、人間の悪い部分をすべて見透かされているようで、居心地悪く感じてしまった。

フィンランド映画という、普段見慣れないものを見るということがまずかなり新鮮であった。街中に溢れる文字的なものへの反応は多少鈍るが、それでも字幕さえあれば、十分に楽しめるということがわかった。春休み、親子でどんな映画を見るか悩んだときは、定番のジブリアニメだけでなく、たまにはこんな作品もいいのかもしれない。



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