2007.11.14 ラストに納得できるか? 【パーフェクト・ストレンジャー】
評価:3
■ヒトコト感想
ラスト7分は確かに衝撃かもしれない。しかし、それは納得のできる衝撃ではなく、「あー、そうなんだ」という衝撃だ。つまり、結局はその手の答えなんだという、ちょっと悲しい思いなのかもしれない。サスペンスとして駆け足で進む前半。圧倒的な情報量で責められるため、何がなんだかわからないうちに、事件は始まり、容疑者が絞られていく。ラストの展開は、意外といえば意外なのだが、納得できるような伏線が張られていないため、やられたという感覚や、爽快感がまったくなかった。結局は「ふーん」という感想でしかない。
■ストーリー
友人の死の真相を追う女性、ロウィーナは自分の素性を偽り、事件の容疑者である大富豪ハリソンに接近する。しかし、ハリソンもまた“別の顔”を持っていた。際限なく繰り返される嘘と、次々と暴かれる秘密が重なり合う、ハル・ベリーとブルース・ウィリス主演の心理サスペンス。
■感想
本作の売りとは何なのだろうか。ラストの衝撃? それともミステリー部分?
ハル・ベリーとブルース・ウィルスという豪華出演陣でどのような作品となるのか。結局は平凡なサスペンスにしか感じなかった。その中でかろうじて売りとなりえるのは、もしかしたらお決まりかもしれないが、IT的なスパイ活動なのかもしれない。容疑者の秘密を暴くために、会社に入り込み、相手とチャットをする。この手のハイテクを組み込まれると、すごいことをやっているような気になるが、ちょっとそれにも飽きてきたかもしれない。
ロウィーナが証拠をつかむためにハリソンに接近する。ハリソン以外にも、怪しそうな人物が多数登場してくる。ここで観衆はいったい誰が犯人なのだろうと、勝手な予想をたてるのだろう。ただ、ラストの展開は誰もが予想しない結末だというのは確かだろう。しかし、それにすっきりと納得できるかは、また別問題だ。どうしても、複雑で、難解で、見るものを鮮やかにだますような結末を考えた結果のラストなのかもしれないが、違和感は否めない。
題材は悪くなく、正体不明な犯人の猟奇的な行動も悪くないと思う。説明不足と感じた前半に比べると、後半はゆっくりと丁寧に物語を作っているようにも感じた。ただ、この手の作品が好きで、よく見ている人にとっては、平凡であり、納得のできない結末と感じることだろう。物語を最後まで集中して見させるような、何か強烈な個性というか売りがないようにも感じた。
心理サスペンスとしては合格なのだろうか?
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