ペナルティ・パパ


2006.12.5 感動とコメディが入り混じる 【ペナルティ・パパ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
タイトル通り本当にペナルティを与えたくなるような父親だ。親父にコンプレックスを持つあまり、自分が監督をするチームをどうにか勝たせようとする。テンパってくると何をしだすかわからない父親だ。最初は息子のためを思って、監督を引き受けたはずなのに、いつのまにか勝つためにチームを強化し、知らず知らずのうちに自分が嫌悪している父親と同じようになっていく。本作の見所は調子に乗り始めた親父の突っ走りっぷりと、そこで起こすさまざまなコメディ。いちいち面白い行動をしてくれる。そして最後はお決まりのように感動させる。最後のハーフタイムの演説はジーンときた。

■ストーリー

ファイトあふれる父親・バックに育てられたダメ男のフィル。今や息子を持つ身となっても、実父バックのイケイケな生き方にはなじめない。そんな折り、フィルは息子が所属する弱小サッカーチーム「タイガース」の監督になってしまった。 タイガースは、バックが監督する強豪・グラディエーターズとの試合でケチョンケチョンに敗北!しかし、それを機にフィルの男魂が炎と燃えさかる!

■感想
典型的なアメリカの家庭というのだろうか。これが舞台が日本であればこうはいかないはずだ。本作は家族団らんが前提とされておりそれなりに裕福な家庭というのが大前提だ。庭先でのバーベキューや、大きな庭でのお隣さんとの確執。分かりやすいアメリカンホームコメディといってもよい。

突然の心境の変化というか、フィルはサッカーチームの監督をやり始める。最初は勝てないが、イタリア人の子供の加入でとたんに強くなり調子に乗り始める。それをきっかけとして今まで飲んだことのないコーヒーにはまりだしたり、勝利重視の戦術を強制したり。これほど判りやすく変化する人物も珍しい。それほど純粋であるという裏返しなのかもしれない。

フィルの根底には父親であるバックに勝ちたいという思いがある。しかしそれだけでなく自分に対してもコンプレックスの塊なのだろう。それらが面白おかしくコメディ色に覆われて表現されている。あまりに突っ走りすぎたフィルに対して周囲は畏怖を感じ、何か異質なものを感じはじめる。その時になってはじめてフィルは自分が父親と同じようになっていることに気づく。

最後はお決まりどおり、選手達の自由にやらせ試合を楽しむことを重視し始める。最後の試合でのハーフタイムの言葉はコメディから一転、感動するシーンではある。そして、ありえないほどの力をだして結局は試合に勝ってしまう。この最後の試合は負けてもいいんじゃないかと思ったが、最後は勝って終わるというのが
いかにもアメリカ的だと思った。

家族で見るにはぴったりの作品だ。



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