パッチギ


2005.10.25 出演者に助けられている 【パッチギ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
エンターテインメント性に飛んでいる作品。テーマは割と重めの内容なのだが
所々に笑いを絡め、個性的な出演者を起用することで随分助けられている
恐らく本作品を見る人の大部分は在日朝鮮人の日本に対する気持ちというのはあまり意識したことが
ないのだろう、現に僕もそうだったからだ。
この作品にでてくるようなことを在日朝鮮人全てが思っているとは思わないが
そのことについて考えるきっかけにはなり得る作品。
まあ、監督はそんなことを望んではいないのだろうが・・・。

■ストーリー
1968年の京都、高校2年の康介(塩谷瞬)はかねがね敵対する朝鮮高校に
親善サッカー試合の交渉をするはめに。
しかし訪れた朝鮮高校で彼は、音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目ぼれし、
彼女と仲良くなりたい一心で、『イムジン河』の歌をギターで覚えるが……。

■感想
国籍の問題は何も北朝鮮に限ったことではなくどこでも起きることだ、しかし在日朝鮮人にとっては
その意味合いは大きいのだろう。
基本は国籍の違う二人のラブストーリーとも言えなくもないが、熱を上げているのは日本人だけであり
相手はそれほど熱心ではない。国籍の違いを抜きにすれば単純な青春映画とも言えなくもないが
国籍の違いが重くのしかかってくる。

キョンジャの兄も日本人の女とつき合っているのだが、そこでも結局歩み寄るのは日本人であり
一緒に北朝鮮に渡ろうと言う。この流れは日本人だけ相手に歩み寄り、相手は我が道を行くような
印象を与えるが、実際にはそうではない。
彼、彼女らにとっては日本人とつき合うということは、それだけで何か後ろめたいものでも
あるような気がしてならない。

本作では監督の意向なのかその他のタブーに対しても
あえて挑戦しているようなことをアピールしたいようだ。
ラジオ番組のディレクターが表現の自由を振りかざして、放送してはいけない歌を電波に乗せる。
その際にお偉いさんに対してくってかかったりと。
まさしく監督がやりたいことをそのまま表現しているようだった。
恐らく本作もちょっとしたタブーに触れているのでアピールしたかったのか?

個性的な出演人にかなり助けられ。エンターテインメントとして十分に楽しめる。
一昔前のビーバップとかそのへんの不良映画とあえて被らせたりするのも
メインはそこではなく、もっと見て貰いたい部分があるからだろう。



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