パニック・ゲーム


 2008.7.3  ご近所さんは恐怖の家族 【パニック・ゲーム】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
一家が抱えるとんでもない病気。家族を大事にすることが当たり前のアメリカだからこそ成り立つ物語なのかもしれない。病気の衝動が抑えられず、バラバラに自分の欲望を満たす兄弟たち。ホラーとしての恐怖よりも、兄弟間の繋がりの方に違和感を感じてしまった。家長として振舞う長男。わがままな次男と長女、一人だけ異質な三男。家族の病気に気づいた三男が外へ助けを求めることができないのも、家族という縛りがあるからだろう。家族の絆は何よりも強い。ファミリーを大事にするアメリカならでわだ。そして、この異常性も途中から慣れてくるから不思議だ。この手のホラーとしては、ミステリアスな部分が追加されているぶんだけ、興味を惹かれてしまった。

■ストーリー

閑静な住宅街に住んでいるハミルトン一家は、家族全員が幸せと思えるような生活を送っていた。しかし、最愛の両親が相次いで亡くなったことで兄弟四人での生活が始まるが、三男のフランシスは新しい生活にどうしても馴染めない。その理由は、兄弟全員が抱えている特別な病気と、地下室の薄暗い部屋だった…。ハミルトン一家の特別な病気とは一体何なのか?

■感想
地下へ潜む謎の生物。家族の病気と三男の関係。この家族と近所の人々。全ての関係が表面上は何の問題もなくうまくいっている。外の顔と内の顔を使い分ける家族たちと、それに騙される周りの人々。ホラーとしてのグロテスクさも結構あるが、病気を逆手に取り獲物を見つけることをゲームといっていたのがタイトルの語源なのだろう。この病気は普通ならば考えられないことだが、家族全員が例外なく病気に犯され、欲望のままに行動する。もし、自分の家の隣にこんな家族が居たとしたら…、なんてことは絶対に想像できない。

簡単に言ってしまえば、殺人の衝動。それも手がかりを残さずに注意深くことに及ぶ。兄弟が個々に好きなように行動するため、段々とハジョウしていくルール。もともと、兄弟間の繋がりなどほとんど無かったいえるのかもしない。特に長女などは、自分の友達をあっさりとその毒牙にかける。手がかりを大いに残しながらのその行動。このあたりから、物語は終局へと近づいていくのだが…。ミステリーの部分には多少の驚きはあったが、それ以外は平凡なホラーでしかない。

地下で監禁する描写がずいぶんと長く扱われ、三男の葛藤を描くのに丁度良い材料となっている。家族をとるか、それとも…。最終的な三男の決断よりも、その後に訪れる地下に存在する生物の方がインパクトがでかかった。これを見た瞬間。まさに恐怖の家族だという印象を植え付けられた。ホラーというよりも、ホラー風味のミステリーなのだろうか。まぁ、ある程度予想できる人には、想定の範囲内なのかもしれないが。

結論から言うと普通のホラーだ。それ以外のなにものでもない。



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