パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト


2006.7.25 ジャックのアニメ的な動き 【パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ジャック・スパロウが前回にもましてコメディちっくになっている。全体的な雰囲気もシリアスな場面かと思うと急にコメディになったりとテンションも終始高いままだ。ジャックの動きが一部アニメのキャラクターのように面白動作を繰り返し、車輪にはさまれながら走るシーンなどディズニーアニメそのままかもしれない。コメディばかりかと思いきや怪しい原住民が登場したり巨大なタコや魔物たちと盛りだくさんの非常に濃い内容となっている。全てのイベントに関係しているジャックに比べてその他の登場人物はほとんど活躍する場面がなかった。本作はまさしくジャック・スパロウの為の映画といっても過言ではないだろう。

■ストーリー

今から13年前のこと…ジャックはブラックパール号の船長となるため、自らの魂と引き換えに、船乗りたちが最も恐れる“深海の悪霊”ディヴィ・ジョーンズと「血の契約」を交わした。そして今、その“契約期間”は終わり、ジャックの魂を取り立てるため、巨大な闇の力が海底をうごめいていたのだ。“悪魔の裏もかくことのできる男”といわれたジャック・スパロウだが、今度こそ彼の命運は尽きようとしていた…。

■感想
巨大な闇の力に対抗するジャック。さらばジャックスパロウ。予告編などを見ると明らかにシリアス路線を狙っているようだが、実際には物語の半分はコメディとして成立しているように思えた。ジャックの動きもとてもコミカルで今までのジョニーデップの個性的な動きに磨きがかかったような。そして印象としてはジム・キャリーとキャラがかぶるような気もしてきた。それほど本作のジャックは表情豊かで面白キャラとなっている。

怪しい原住民達に捕らえられるジャック一行。そして謎の巨大生物に狙われるジャック。さらには深海の悪霊ディヴィ・ジョーンズにまで狙われるジャック。全てがジャック絡みで一つ一つを細かく丁寧に描けばそれだけで映画が一作できるほどのエピソードだと思う。本作ではそれらをまとめて一つの作品としているために、非常に濃密で休む間がないような印象を受ける。これらのイベントに加えてジャックがアニメ顔負けな面白動作を繰り返すので、見ている方としては楽しめるのだがあまりに展開が速すぎて一つのことに集中できない可能性がある。

2時間の枠にたっぷりと詰め込まれたエピソードは全てジャックのためのものと言っていい。ジャックによるジャックのための映画。他の出演者たちもそれなりに個性あふれる演技をしているのだが、どうしてもジャックと比べると見劣りしてしまう。結果的にはそれで良いのかもしれないが今まで以上に一人のキャラクターが目立ちすぎて全体的な印象としてはジャックしか心に残っていない。

最後は無理矢理シリアス路線にもっていくかと思いきや、また微妙な終わり方をした。この流れは明らかに続編を意識しているのだろう。このまま続編が出なければ消化不良で暴動が起きるかもしれない。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp