パーフェクト・マン


2007.4.19 母親である前に一人の女 【パーフェクト・マン】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
母親である前に一人の女である。子供を持つ母親が感じる典型的な思いだろう。その思いを包み隠すことなく、おおっぴらに男あさりに走るのが本作のジーンである。イメージではとても淫靡なものを感じるが、画面から感じる印象はとてもさわやかでなんだか高校生のように感じてしまった。考えが純粋で子供であるが、娘は大人びた考えを持っているようで実は母親に輪をかけて子供なのである。嘘を塗り固め、理想の男を演出し母親を引越しさせないようにするなんて…。いずれ崩壊するのが目に見えているだけにハラハラドキドキした。

■ストーリー

「引っ越しガール」のタイトルでブログを続けている高校生ホリー。彼女の悩みは、二流男に失恋しては引っ越しを繰り返す母親ジーン。一カ所に長くいられないから、学校で友達も彼も作れないし、プロムにだって出られない。でもホリーは考えた。今度の引っ越しこそ最後にしよう、と。それには、「パーフェクトな彼氏」をママに紹介すればいい!理想は、そう友達のエイミーのおじさんみたいなハンサムなジェントルマン!早速クラスメートのアダムにも協力してもらって作戦開始!でもそのうち、アダムの視線が気になり始めてしまって・・・。

■感想
母と娘の関係は息子とはまた違った何かがあるのだろう。ともすればライバルともなり兼ねない関係。まして、母親がバツいちで、男を探しているとなれば娘としても気が気ではないだろう。子供としては親のリアルな恋愛模様をできるならば見たくないのが本音だろう。どんなにフランクな家庭だとしても、秘密にすべき部分はしてほしいものだ。本作のジーンのように娘の前で男にフラれるというのはどうだろうか。

ジーンにくらべると娘のホリーは自分の青春を謳歌する前に、母親のことばかり心配してどこか内にこもっている印象を受けた。ジーンのために完璧な男をでっちあげ、引越しさせないようにする。まあ、ここまでは許せるとしても、近所に住むエイミーのおじさんの写真をそのまま見せるというのはどうだろうか。
後先考えない無鉄砲さと、さわやかさ。本作を少しアットホームにしているのはこのホリーの無鉄砲さがあるからだろう。

母親の恋愛に気を取られ、自分の恋愛のチャンスを逃す。ホリーがそれほど恋愛に熱心ではなく、まずは引越しを阻止することが目的という流れから後半は一転して自分を見つめる目に気がつく。母親と娘、それぞれ恋愛の仕方は違うが、お互いがお互いに相手の欠点や良い部分に気づくと共に、それが自分にも当てはまることに気づく。親子ならではの恋愛模様だろう。

この親子以外にも脇を固める男達が個性豊かで面白い。



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