親指さがし


2007.9.15 ビジュアル的な怖さがない 【親指さがし】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
どことなくリングのようなホラーをイメージさせながらも、リングほどの恐怖感はない。親指さがしという遊びをきっかけとして事件が発生するのだが、その肝心な親指さがしにほとんど恐怖を感じることができない。そして、言葉的には「親指さがし」というのはなんだか恐ろしいことのように感じるが、実際に親指がない手に肩を叩かれたからといって、それほど恐ろしい映像とはならない。物語半ばにしてオチが予想でき、それを最後まで引っ張るだけのパワーもなかった。なんだかものすごく中途半端な印象しか残っていない。

■ストーリー

12歳の少年少女6人は、廃屋となったホテルの屋上で“親指さがし”を始める。それは6人が円になって手をつなぎ、最後の呪文をとなえたら手を振り下ろす。するとそれぞれの意識は見知らぬ部屋にたどりつき、そこで親指を探すというゲームだ。「私が帰って来られなくなったらどうする?」と言う由美子に武は「僕が探すよ」と約束する。そして本当に由美子は悲鳴とともに消えた…。8年後、同窓会で再会した5人。武は行方不明の由美子のことが忘れられず、4人に「もう1度、親ゆびさがしをしてほしい」と頼む。ところがその日から、次々と仲間が死んでゆくのだった…。

■感想
親指さがしという儀式にどれだけ恐怖を感じることができるか、それにつきる。ただ行方不明になった由美子を探すだけでは何も恐ろしくない。ポイントは親指さがしで行方不明になった者の呪いというものをどれだけ印象づけるかだろう。物語半ばにしてオチが予想でき、無理やり恐ろしさを際立たせようと、リング的な手法で呪いの元凶を探しまくるという流れだ。リングほど恐ろしくなく、そして鳥肌が立つような気持ちの悪さもない。悪い意味であっさりしすぎている。

ちょっと前に乱発されたホラー映画ラッシュに比べると、多少最近は落ち着いた。その中で本作のような、いまいちな作品がでてくると、ちょっとジャパニーズホラーとしての面目が立たないんではないだろうか。親指さがしという響きは面白い。題材としては微妙だが、新しい感じはする。ただ、それが単純に呪いと一くくりにされてしまっているので、
親指を捜すという奇妙さが薄れている。

原作はまったく読むつもりはないが、違った雰囲気なのだろうか。リングからすでに十年近く経過しているが、僕の中では今だにリングを見たときの衝撃を超えるような作品には出会っていない。年齢的なものもあるかもしれないが、あれほどの衝撃をもう一度味わいたいものだ。



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