おじいさんは山へ金儲けに 


 2008.6.15  自分に投資するという考え方 【おじいさんは山へ金儲けに】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
投資指南の絵本と言えばいいのだろうか。投資に関する内容というのは自分にとって特別目新しいものではなかった。強引に昔話と結びつけるというのは面白い手法かもしれないが、誰もが知っている昔話がこうも変わるのか、もはや原型をとどめていないものもある。投資の大切さとそのリスク、そして無知がどれほど不利なことかというのを力説している。本作を読んで、強烈なインパクトを受けたりすぐに投資活動に走るということはないが、投資に対する考え方は少し変わった。自分に投資という考え方が明確になったような気がした。今、自分がやっていることは、長い目でみると自分に投資していることになるのだろう。そのリターンがどうなるかは別にして。

■ストーリー

「なぜ日本人はお金とのつきあい方が下手なのか? 「投資」の概念を正確に知ることは、もはや人生をサバイバルするうえで必要不可欠なスキルである。カチカチ山、桃太郎、一寸法師……。誰でも知っている昔話をもとに、村上龍が書き下ろした斬新な寓話のストーリー、そして金融のプロが明かす投資の心得11箇条による、まったく新しい投資教育絵本。

■感想
昔話はわりと残酷な話が多い。それを踏襲するように、投資に絡めながらも結構残酷な話が繰り広げられている。一般的なきれいごととして金で買えないものがある、金だけが幸せではない。なんて言葉がよく言われるが、それは貧乏人の僻みだということを言っている?ようにも感じた。金は手段でしかないのだが、その手段さえ持たなければ、先に進むことができない場合がある。金を稼ぐことを目的としてはならないといいながら、投資というのは金を増やすことをメインにしているように思えた。自分に投資するというくだりを読むまでは。

自分に投資という概念はほとんどなかった。意識せずにやっていたことなのだろうが、本作を読んで、それがはっきりと自覚できた。長期的に考えれば、若いうちは、株や不動産に投資するよりも、自分に投資したほうが、最も効率のよいリターンを得ることができる。はっきりとは明言していないが、そう感じた。今、自分が目的に向かって突き進んでいるのは、未来のリターンを求めているわけではないが、結果的にはそうなるような気がする。自分がやっていたことが間違いではなかったと再認識させられる作品だ。

金融のプロが監修する本作。特に株だとか、投資のリスクについて言うことはない。やりたければやればいいし、無知ならば、それは自分に降りかかることだと思っている。本作を読んだからといって、すぐさまネット証券に口座を開くということもない。金は手段として必要だということはわかっているが、重要だとは思っていない。昔話は、読者に教訓を伝えるのには最も適した作品なのだろう。心に残る昔話もいくつかあり、勉強になったのは確かだが、一番は自分に投資するという考え方だ。

なんだか、ちょっとした自己啓発モノのように感じるほど、自分にとっては読んでよかった作品だ。



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